
TikTokをしばらく利用したことがあるなら、このアプリの抗いがたい特性を理解できるはずだ。「おすすめ」ページに表示される短尺動画を決定するアルゴリズムは、抜け出すのが困難な無限スクロールのループに人々を陥れることで知られている。
意図的な設計だが、そこに問題がある。欧州委員会は、2024年から調査してきたTikTokの「中毒性を意図した設計」という戦略が、欧州連合(EU)のデジタルサービス法(DSA)に違反しているとの予備的な見解を公表した。2022年に制定されたこの画期的な規制は、大規模なオンラインプラットフォームに責任を課すことを目的としている。
欧州委は、TikTokがサービスの仕組みを大幅に変更しなければ、年間世界売上高の最大6%に相当する制裁金を科す可能性があると述べた。問題のある機能として、無限スクロール、自動再生、プッシュ通知、そして高度にパーソナライズされたレコメンデーションシステムを挙げている。
特に、TikTokの中毒性の高い機能が、未成年や脆弱な大人を含むユーザーの身体的・精神的な健康を害する可能性がある点を強調している。2月に入り、スペイン政府はオーストラリアに続いて、16歳未満のSNS利用を禁止すると発表した。フランスや英国など他の欧州諸国も、同様の規則導入に向けて動く可能性がある。
欧州委の技術主権担当執行副委員長であるHenna Virkkunen氏は発表の中で、「デジタルサービス法は、ユーザーへの影響に対してプラットフォームに責任を負わせるものだ。欧州では、オンライン上の子供たちと市民を守るために法律を執行する」と述べた。
2026年はTikTokにとって、すでに多難な1年となっている。2024年に成立した米国の法律の要件を満たすために、米国事業はグローバル事業から切り離された。さらなるアルゴリズムの変更も予定されている。
欧州では、TikTokは欧州委の告発と要求を黙って受け入れるつもりはないようだ。
同社の広報担当者は電子メールで、「欧州委の予備的な見解は、当社プラットフォームを断定的に誤解した、かつ全く根拠のない形で描写している。当社は利用可能なあらゆる手段を通じて、これらの見解に異議を唱えるために必要な措置を講じる」と述べた。
TikTokは、委員会の調査ファイルにある文書を精査し、回答を提出することができる。
「ダークデザイン」の終焉か?
TikTokから収集された内部データと、SNSの有害な影響に関するトップレベルの科学的調査を組み合わせた結果、欧州委は、同社が人々を強迫的な行動に陥らせることを許容しており、人々の最善の利益のために行動していないと結論づけた。
人々をアプリに釘付けにするためのアルゴリズムに依存しているのは、TikTokだけではない。ソーシャルメディア専門家のMatt Navarra氏によれば、TikTokがここで狙い撃ちにされた理由は、「他社が模倣した、この種のソーシャルアプリにおけるアルゴリズムと設計の原型だからだ」という。さらに同氏は、TikTokが最も文化的な影響力を持ち、うまく機能しすぎていることも理由に挙げた。
「アプリを開くとループに入り、0.5秒以内には何の決断も行き止まりもなく、ただ純粋なドーパミンが放出される。それこそが、TikTokが槍玉に挙げられている本当の理由だ」(Navarra氏)
欧州委の主張は、このような設計は「巧み」なのではなく、実際には「違法」であるということだ。欧州委はTikTokとの対立を公衆衛生上の問題と位置づけ、デジタルサービス法を法的枠組みとして、決定がもたらす結果の責任を同社に負わせようとしている。
Navarra氏は、TikTokの主要な競合であるInstagram、YouTube、Snapも、次の標的になることを懸念すべきだと考えている。同氏は次のように語った。
「結局、これはソーシャルメディアアプリがダークデザインを採用したことに対する世界的な報いの始まりであり、TikTokはそのテストケースになったということだろう」
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
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