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M&Aのマッチング課題解決にAI–fundbook、「KEPL」システムを開発 – CNET Japan



M&Aのマッチング課題解決にAI--fundbook、「KEPL」システムを開発 - CNET Japan

 チェンジホールディングス傘下で合併・買収(M&A)仲介事業を手掛けるfundbookは、12月15日、AIを利用して最適なマッチングを支援する「KEPL」システムを発表した。事業や財務などの情報だけでなく企業文化や価値観などの情報も取り入れた独自のAIモデルを開発。2026年1月下旬からまず同社の事業で運用を開始するという。

KEPLシステムの概要
KEPLシステムの概要

 チェンジホールディングス 代表取締役兼執行役員社長の福留大士氏は、中小企業や地方企業の活性化においてM&Aが注目されているとしつつ、実際には業種や地域の偏り、属人性や文化、理念といったさまざまな事情により、マッチングがしにくいケースが多いと指摘。その解決を目的にKEPLを開発したと説明した。

 fundbookは、2024年12月にチェンジホールディングスグループに参加した。代表取締役社長の渡邉和久氏によると、現在の国内M&A市場は約19兆円の規模にあり、中小企業のM&Aは年間約6600件以上という。M&Aの主な目的は、後継者の不在や事業の成長戦略などで案件数も増加傾向が続く。これを受けて特にM&A仲介企業が直近8年で約2.6倍の3089社に急増した。だが、M&A仲介の専従者が100人以上在籍する企業は7社といい、fundbookは160人以上が在籍する大手7社の1つという。

 中小企業のM&Aの実態は、年間成約の約3割が建設やIT、運送、小売(調剤薬局やLPガスなど)に集中し、これら業種では売り手と買い手のニーズが合致して成約しやすい一方、残る約7割の業種ではパートナー候補に出会いづらい課題があるという。また、地域別でも仲介案件の大多数が首都圏や東海、関西に集中して、地方企業には機会が乏しいという。

 こうした実態の中でM&A仲介企業も急増しているが、仲介業務の多くを専従者の人手に依存しており、仲介企業での成約率は2割程度という。さらにM&Aが成立しても、ある調査では成功と感じた企業が36%にとどまり、うまくいかない理由には企業文化や組織風土、経営者の理念や価値などの不一致があるという。

 渡邉氏によれば、事業承継や成長戦略などを目的とするM&Aの潜在的な中小企業は約26万社に上り、今後多数の高齢経営者が引退することなどの状況を考慮すると、年間数万件規模のM&Aの成立が必要とした。上述の各種課題を解決しながらこの規模に対応するため、今回のKEPLを開発したと述べる。

 KEPLでは、業界や地域などのカバレッジの“広さ”と、事業内容や財務状況などに加え経営方針や企業文化、創業目的や理念、経営者の価値観といった“深さ”を特徴付け、「Narrative Insight Framework」(NIF)という独自のAIフレームワークを開発している。

「Narrative Insight Framework」では、文化や風土、創業理念といった“ナラティブ”(物語)をベクトル構造のデータとして取り入れている
「Narrative Insight Framework」では、文化や風土、創業理念といった“ナラティブ”(物語)をベクトル構造のデータとして取り入れている

 開発を担当したチェンジホールディングスの井上正貴氏によると、“深さ”についてNIFでは、企業のデータを3つの深度で階層的に構造化する。第1深度は事業内容や財務情報、組織構造など、第2深度は会社・組織の風土・文化や経営方針など、第3深度は創業の思いや経営者の価値観、人生史などになる。第2および第3の深度は、当該企業へのインタビューや調査から得る情報になり、公開情報である場合が多い第1深度のデータだけでは把握しづらい当該企業の“ナラティブ”(物語)の情報になるという。これを階層構造ベクトルデータベースにしている。

 また、fundbookがこれまでに手掛けた約10万社に上る提案や商談、成約や破断の履歴、交渉経緯といった膨大なデータを学習させたAIモデルを構築している。仲介案件では、売り手企業に関するデータをこのモデルに入力し、数万社の買い手企業のデータと比較して、ナラティブの要素も加えた相性の良さをスコアとして算出、要素ごとのスコアと理由も含めてAIによる判断結果を具体的に提示する。

M&Aの買い手と売り手のマッチング相性をAIがスコアリングし、AIの判断理由も詳しく提示する。例えば、候補先のリストアップに手作業で1週間程度を要したものを数時間で完了できるなどの効果があるという
M&Aの買い手と売り手のマッチング相性をAIがスコアリングし、AIの判断理由も詳しく提示する。例えば、候補先のリストアップに手作業で1週間程度を要したものを数時間で完了できるなどの効果があるという

 井上氏は実際に3年以上のM&A仲介業務を経験しているといい、モデル開発ではベテランや成約実績の豊富な専従者と共同で思考やプロセス、判断基準といった要素を反映させたという。開発に要した期間は約2年で、NIFやデータベース、モデルによるスコアの有効性が専従者と同水準に達したことから、今回のリリースに至ったそうだ。

 fundbookは、KEPLの運用を2026年1月下旬に開始し、同年12月に1万社の案件での活用を目標にしている。また、運用を通じてモデルの精度やデータの品質の向上を進め、2027年12月まで上述した業種や地域の遍在性、属人性といったM&Aの仲介にまつわる各種課題の解決における定量的効果も検証していくという。

 渡邉氏は、まずfundbook自身でKEPLの利用と開発を進めつつ、将来的にはM&A仲介業界の課題解決のために外部などへの提供も検討していきたいとコメントした。

チェンジホールディングの福留社長(右)と開発を担当した井上氏(左)。中央はfundbookの渡邉社長
チェンジホールディングの福留社長(右)と開発を担当した井上氏(左)。中央はfundbookの渡邉社長

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