
電車や空港、タクシー。落とし物をした場所がはっきりしない…。そんな時のストレスを解消する新サービスが登場した。
「落とし物クラウドfind」を展開するfindは12日、交通機関や空港、タクシーなど複数の事業者にまたがって落とし物を検索できる「find chat」の横断検索を開始したと発表した。主要なインフラ事業者ごとに分断されていた落とし物情報をまとめて検索できる仕組みが、国内で初めて本格稼働する。
この横断検索網には、羽田空港の旅客ターミナル、京浜急行電鉄、東京モノレール、日本交通、東京ハイヤー・タクシー協会加盟のタクシーなどが参加する。さらに2026年4月にはJR東日本も加わる予定で、対応エリアは一段と広がる見通しだ。
落とし主にとって、落とした場所が分からない場合、複数の施設や事業者に個別に問い合わせるのが当たり前だった。一方、鉄道やタクシー事業者の現場でも、落とし物の管理や顧客応対、警察とのやりとりが大きな負担になっていた。日本交通の川鍋一朗氏は「findの導入で現場の手間が大きく減る。まさに神サービスだ」と話す。
JR東日本で代表取締役社長を務める喜㔟陽一氏も「日本のどこで落とし物をしても見つかる社会を実現してほしい」と、find導入への期待を寄せた。そのうえで「首都圏の鉄道は相互直通運転をしており、JR東日本だけが導入しても、直通先が入っていなければ見つからないケースがある」と指摘し、小田急電鉄や東京メトロなど直通先各社での導入にも期待を示した。
findとは
findは、忘れ物対応にかかる事業者の業務コストを最大80%削減できるとうたう。電話が中心だった落とし主とのやりとりをチャットで代行するほか、写真を撮るだけで拾得物を登録できるアプリも提供する。利用者側も、写真をアップロードするだけで忘れ物を探せるなど、サービス品質の向上につながるとしている。
事業モデルは、落とし物の件数に応じた月額プランを事業者が契約し、料金をfindに支払う仕組みだ。料金は落とし物1件あたり100〜200円のオーダーだという。川鍋氏は「現場の時間を浮かせられるなら」と話す。
警察庁によると、2024年に届け出のあった拾得物は約3128万点と過去最多を記録している。findは、今回の大手インフラ事業者の導入を皮切りに、全国各地の商業施設への導入を目指す。
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