一部のユーザーのGoogle検索に、見慣れない「＋（プラス）ボタン」が追加されている。
その正体はAI関連の新機能だ。このボタンから画像やドキュメントをアップロードすると、「Google AI Mode」が起動し、AIによる内容分析が可能になる。現時点でGoogleからの公式発表はなく、一部ユーザーを対象としたテスト実装と見られる。
具体的な機能は次のようなものだ。アップロードしたファイルの内容をGoogleのAIモデル「Gemini」が解析・理解し、それに基づいた自然言語での質問に回答してくれる。例えば、プラモデルの組立説明書を読み込ませて「このパーツはどこで買える？」と尋ねたり、ギターの写真をアップして「搭載されているピックアップの種類は？」と特定させたり、といった使い方が想定される。
なお、本件に関して米CNETがGoogleにコメントを求めたが、即座の回答は得られなかったという。
検索機能のAI強化を急ぐ背景には、「ChatGPT」を擁するOpenAIとの熾烈な開発競争がある。Googleは現在、全社を挙げてAIシフトを加速させている最中だ。両社は機能面で激しいつばぜり合いを演じているが、先日の「Gemini 3」リリースはOpenAI内部に「コードレッド（非常事態）」を宣言させるほどの衝撃を与えたと報じられた。これに対抗するため、OpenAIも急遽「GPT-5.2」モデルを投入するなど、競争は激化の一途をたどっている。
この競争において、Googleは巨大な事業規模という強力な武器を持つ。OpenAIと比較して、同じコストでより多くの付加価値を提供できる体力が同社にはある。例えば、サブスクリプション会員向けにGoogleドライブのTB（テラバイト）級ストレージを追加提供したり、Gemini利用時に膨大なデータ量を一度に処理できる巨大なコンテキストウィンドウを開放したりといった施策は、その一例だ。
さらに見逃せないのが、自社製ハードウェアの存在だ。Gemini 3の学習にはNvidia製GPUではなく、Google独自のAIチップ「Tensor Processing Unit（TPU）」が用いられた。これは、外部ベンダーに依存せずとも高性能なAIモデルを垂直統合で開発できる体制が整っていることを意味する。こうした総合力から、業界観測筋の間では「AI開発競争において、Googleが事実上頭一つ抜け出した」との見方も強まりつつある。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
