Appleの最新ワイヤレスイヤホン「AirPods Pro 3」が登場した。新機能の追加に加え、音質やノイズキャンセリング性能の強化が大きく打ち出されている。だが、その直前にはBoseからも注目モデル「QuietComfort Ultra Earbuds（第2世代）」が発売されており、結果として両社のフラッグシップがほぼ同時期に市場へ投入された形だ。
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発売タイミングが近いこともあり、性能面でも真っ向から競合すると考えるのは自然だろう。では実際のところ、どちらを選ぶべきなのか。AirPods Pro 3とBose QuietComfort Ultra Earbuds（第2世代）を両方じっくり使い込んだうえで、その違いを整理してみたい。
1.AirPods Pro 3が向いているのはこんな人
Apple製デバイスを日常的に使っている
Apple製品間のシームレスな連携は大きなメリットだ。AirPods Pro 3はiPhoneやiPad、Macと自動で接続先を切り替えられ、複数デバイスをまたいだ利用がスムーズに行える。
心拍数などの生体データはApple Healthに直接記録され、Apple TVと組み合わせれば空間オーディオも利用可能だ。映画やテレビ番組視聴時の臨場感は高く、この機能を評価するユーザーも多いだろう。加えて、Apple Watch用の充電器でAirPods Pro 3を充電できる点も、Apple製品で揃えている人にはうれしいポイントだ。
さらにiPhoneとの組み合わせでは、オンデバイスAIを使ったライブ翻訳にも対応する。単なるイヤホンを超えた機能性を求めるなら、Appleのエコシステムに深く組み込まれたAirPods Pro 3は、有力な選択肢になる。
2. フィットネス用途でも活用したい
AirPods Pro 3の大きな進化点が、耳の中で心拍数を測定するセンサーの搭載だ。このモデルは、イヤホンでありながらフィットネストラッカーとしても機能する。
Apple Watchを持っていなくても、iPhoneのFitnessアプリを使えば50種類以上のワークアウトを記録できる。運動管理の入り口としては十分以上の機能を備えていると言っていい。
Fitnessアプリには「Workout Buddy」という新機能も用意された。Apple Intelligenceを活用し、運動データを分析しながら、トレーニング中に個別最適化されたモチベーションを提供する仕組みだ。
Apple Watchを併用する場合は、さらに精度が高まる可能性がある。Apple Healthが両方の心拍データを統合して扱うため、どちらか一方に依存するよりも、より正確な数値が期待できる。
3. バランス重視の音作りが好み
音質面でも、AirPods Pro 3は第2世代モデルから明確な進化を感じさせる。低音は十分な量感がありつつも過剰ではなく、高音域は解像感が高い。中音域も丁寧にまとめられており、全体としてクセの少ない聴きやすいサウンドに仕上がっている。
完全にフラットな音ではないものの、BoseのQuietComfort Ultra Earbuds 第2世代と比べると、よりニュートラル寄りのチューニングだ。Boseは迫力を重視し、低域と高域を強調する一方で、中域をやや引っ込めた音作りになっている。この違いは、好みを大きく左右するポイントになるだろう。
Bose QC Ultra Earbuds 2が向いているのはこんな人
1. Apple製デバイスを使っていない
AirPods Pro 3は完成度の高いイヤホンだが、その魅力の多くはAppleのエコシステムと組み合わせてこそ発揮される。もし普段Apple製デバイスを使っていない、あるいはイヤホンをApple以外の端末でも使いたいのであれば、AirPods Pro 3は最適とは言い切れない。
Bose QuietComfort Ultra Earbuds（第2世代）は、Bluetooth対応デバイスであれば基本的に制限なく機能を使える。専用アプリもAndroidとiOSの両方に対応しており、端末を選ばない。Bose独自の空間オーディオや簡易的なEQなど、どの環境でも同じ体験が得られる点は大きな強みだ。
2. とにかく強力なノイズキャンセリングを求める
AirPods Pro 3のノイズキャンセリング性能もトップクラスだ。街中の喧騒から飛行機のエンジン音まで幅広い環境音を抑え、音楽やポッドキャストに集中できる。
それでもANCの“強さ”という一点に限れば、Bose QuietComfort Ultra Earbuds（第2世代）が一歩リードする。AirPods Pro 3が周囲の音を大きく静かにできるのに対し、Boseは“ほぼ無音”に近いところまで持っていく。そんな違いがある。
3. 音の方向性を自分で調整したい
Boseアプリに搭載されているEQは決して高機能とは言えない。調整できるのは3バンドのみで、周波数も数値では表示されず、「低音」「中音」「高音」という大まかな区分にとどまる。それでも、音を自分好みに変えられる余地があるのはBoseだ。
一方、AirPodsには実質的なイコライザーが用意されていない。Appleが完成形と考える音作りを崩したくないのか理由は不明だが、ユーザー側で細かく音を追い込みたい場合、選択肢はBoseになる。
皮肉なことに、初期状態の音のバランスはAirPodsのほうがややニュートラルだ。ただし、その音を変えられないという制約がある。
総評
筆者の結論としては、Apple製品を日常的に使っている人にはAirPods Pro 3を勧めたい。音質と装着感の完成度は高く、Appleのエコシステムと連動する追加機能が、日々の使い勝手を確実に向上させる。
一方で、Apple製品を使っていない場合は話が別だ。その場合、AirPods Pro 3の魅力は十分に活かせず、QuietComfort Ultra Earbuds（第2世代）を有力な代替候補として検討する価値がある。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
