
スタンフォード大学が最近行った実験は、AIハッキングボットがネットワークに解き放たれた際に何が起こるかを示している
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アルテミスは驚異的な速さでバグを発見し、コストも安かった。ただ、完璧ではなかった
人工知能(AI)を使ったハッキングツールは、何年もの失敗を経て危険なほど高性能になった。
米スタンフォード大学で最近実施された斬新な実験によると、その性能は一部の人間のハッカーをも上回るほどだ。
スタンフォード大学のチームは過去1年間の大半を費やして、AIボット「アルテミス」に手を加えた。
このボットは、アンソロピックの生成AIソフトウエアを使って大企業や外国政府に侵入していた中国のハッカーと同様のアプローチを取る。
アルテミスはネットワークをスキャンし、バグの可能性のある部分、つまりソフトウエアの脆弱(ぜいじゃく)性を見つけ出し、それを悪用する方法を探す。
その後、スタンフォード大学の研究者たちはアルテミスを研究室から解き放ち、現実世界のコンピューターネットワーク、つまりスタンフォード大学工学部が使用しているネットワークでバグを見つけるために使用した。さらに実験を興味深いものにするため、アルテミスをペネトレーション(侵入)テスター(ホワイトハッカー)として知られる実際のプロのハッカーと対決させた。
この実験の概要は10日に発表された論文で明らかにされている。
サイバーセキュリティー企業ビショップ・フォックスの研究者ロブ・ラガン氏は「今年はモデルが十分に高性能化した年だった」と述べた。同社は大規模言語モデル(LLM)を使用して、ペネトレーションテストで人間よりもはるかに速く安価にバグを発見できる一連のツールを構築し、これまでより多くのソフトウエアをテストできるようになったという。
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