
KDDIは2月6日、2026年3月期第3四半期決算短信の開示を延期すると発表した。四半期末後45日以内の開示ができない見通しだ。
延期の理由は、連結子会社であるビッグローブとその子会社ジー・プランの広告代理事業で発覚した不適切な取引の疑いにある。KDDIは1月14日に外部の弁護士・公認会計士で構成する特別調査委員会を設置し、調査を進めている。連結財務諸表への影響が確定していないため、決算短信の開示を見送った。
特別調査委員会の報告は3月末を予定しており、KDDIは調査報告書の受領後、同じく3月末を目途に決算短信を公表するとしている。
KDDIによると、2025年12月中旬に一部の広告代理店からの入金遅延が発生したことを契機に、売上高の過大計上の可能性が浮上した。その後の調査で、2026年1月上旬に子会社社員による不適切な取引の疑いが確認されている。
同社は本日予定していた第3四半期決算説明会を「2026年3月期第3四半期業績説明会」に変更し、不適切取引以外の事業進捗を中心に説明した。この中で架空取引の概要と業績への影響額も公表した。
社内調査の結果、子会社社員が広告主の存在しない架空の広告代理取引を複数年にわたって行い、売上高を過大計上していた疑いが確認された。ジー・プランが2017年頃に新規事業開拓として広告代理事業に参入し、その後ビッグローブも加わったという。上流の広告代理店から受注した取引を下流の掲載代理店を通じて再委託先に流していたが、再委託先と上流の代理店は同一で、WEB掲載媒体も広告主も存在しなかった。
現時点でKDDIが認識する業績影響は、売上高の取消しが合計約2460億円にのぼる。内訳は2024年3月期以前が約960億円、2025年3月期が約820億円、2026年3月期が約680億円だ。営業利益への影響は、計上利益の取消しが約500億円、架空取引に伴う外部流出の引当が約330億円で、外部流出分は回収に努めるとしている。このほか減損等の損失が追加で発生する可能性もある。
過年度の決算修正と第3四半期決算短信の公表は3月末を予定しており、2026年3月期の本決算は遅滞なく実施する方針だ。

KDDIのロゴ