
2025年は、鮮やかなオレンジ色の「iPhone 17 Pro」から、AIへの依存度を高めた「Pixel 10 Pro」に至るまで、驚くべきスマートフォンの数々が登場した1年だった。さらに、「Galaxy S25 Ultra」や、OPPOの「Find X9 Pro」、小米科技(シャオミ)の「Xiaomi 15 Ultra」など、持ち歩くカメラはこれ1台で十分だと言わんばかりの機種も現れた。
これらのスマートフォンの多くは、強力なプロセッサーや耐水機能といった共通点を持っている。だが2025年は、メーカー各社が競争から抜け出すために、数多くの新たな仕掛けやアクセサリを追加し、勝負のレベルを一段引き上げてきた。その中には、われわれの目を特に引くものがいくつかあった。
ここでは、2025年に主流へと躍り出た、お気に入りのスマートフォン機能を紹介する。これらは2026年も続くトレンドとなるだろうか。
大容量のシリコンカーボンバッテリー
バッテリーは昔から変わっていないように見えるかもしれないが、実はスマートフォンの他のパーツと同様、常に進化している。最新のトレンドはシリコンカーボンバッテリーへの移行だ。これはエネルギー密度が高く、レンガのように巨大な端末を持ち歩かなくても、より長いバッテリー駆動時間を実現できると期待されている。
OPPO Find X9 Proと「OnePlus 15」は、いずれも7000mAhを超える容量のバッテリーを搭載しており、vivoの「X300 Pro」も6300mAhと、それに迫る大容量を誇る。参考までに、サムスンの「Galaxy S25 Ultra」は6.8インチという巨大な画面を持ちながら、バッテリー容量は5000mAhにすぎない。「iPhone 17 Pro Max」のバッテリーも5088mAhと、Galaxy S25 Ultraに近い数値だ。
しかし、必ずしもバッテリー駆動時間が倍近くになるわけではない。OPPOやOnePlusの最新端末は、確かにバッテリーテストで極めて優秀な結果を残したが、iPhone 17 Pro Maxも依然として、われわれがこれまでに扱った中で最高水準のバッテリー性能を維持している。これは、Appleがスマートフォンのすべての部品を自社で設計することで実現している効率性のたまものだ。とはいえ、シリコンカーボンバッテリー技術が前進であることは間違いなく、これによって一日の途中で充電切れに見舞われる可能性は低くなるだろう。
着脱式望遠レンズ
OPPO Find X9 ProとvivoのX300 Proについて語るなら、両社が提供している巨大な望遠レンズに触れないわけにはいかない。どちらの機種も、専用ケースと重量感のある金属製望遠レンズを含むフォトグラフィーキットを購入できる。これを装着すると、まるでスマホの背面に小さな椅子の脚が生えたような見た目になる。この着脱式望遠レンズを使えば、実用的な倍率である40倍ズームが可能になる。これは標準レンズで約920mmの焦点距離に相当し、私がプロ用カメラのために所有しているどのズームレンズよりもはるかに高性能だ。
その結果、遠く離れた場所からでも素晴らしいクローズアップ写真が撮れるようになる。野生動物の撮影や、目立たずに撮影したいストリートスナップにおいて、これらのレンズは大きな楽しみをもたらしてくれる。本物の光学レンズを使用しているため画質は極めて高く、被写体の周囲に生じる自然なボケ味によって、通常のカメラとズームレンズで撮影したかのような写真を撮ることができる。
超薄型スマートフォン
遡ること3月、私の優秀な同僚であるAbrar Al-Heeti記者は、超薄型デザインを採用したスマートフォンの多さに驚いていた。サムスンには「Galaxy S25 Edge」があり、Tecnoのコンセプトモデル「SPARK Slim」は厚さわずか5.25mmのボディをうたっていた。そして9月には「iPhone Air」の登場により、Appleも薄型スマートフォンの競争に加わった。
これらのスマートフォンは、競合製品よりも洗練された美しさを約束しており、ジーンズのポケットに押し込んでも不格好な膨らみが生じない。だが、この薄型デザインが真に威力を発揮するのは折りたたみスマートフォンにおいてだ。OPPOの「Find N5」とHonorの「Magic V5」は、どちらもカミソリのように薄いデザインを実現しており、閉じて厚さが倍になっても、扱いにくいレンガのような塊にはならない。サムスンもまた、開いた状態でわずか4.2mmという超薄型の「Galaxy Z Fold7」で世間を驚かせた。
防塵対応の折りたたみスマホ
超薄型折りたたみスマホを称賛する一方で、「Pixel 10 Pro Fold」にも賛辞を送らねばならない。Googleの最新折りたたみスマホは、このタイプとしては初めてIP68等級を実現し、繊細なヒンジ機構への水と埃ほこりの侵入を防ぐことを約束している。
これまで、最高クラスの折りたたみスマホでも、せいぜいある程度の耐水性があるだけで、防塵性は1mm以上の粒子に限られていた。これでは埃っぽい場所や、地元の製粉工場を見学中に電話に出るような場面では役に立たない。しかし、Googleは防塵対応によってこれを一歩前進させた。つまり、ビーチで電子書籍を読むために折りたたみスマホを開いても、砂が高価な端末を台無しにする心配がないということだ。
確かにPixel 10 Pro Foldは、前述の超薄型モデルに比べれば少々厚みがある。だが、Googleは薄さよりも耐久性を優先したのだ。その結果、スマホの寿命は大幅に伸びることになるかもしれない。
正方形のイメージセンサー
最新の「iPhone 17」シリーズでは、正方形のイメージセンサーの導入により、フロントカメラが大幅に刷新された。これにより、ビデオ通話の際にスマホを縦向きに持っても、画質を落とす切り抜き処理をすることなく、横向きの映像として送信できるようになった。逆もまた然りだ。スマホをどの向きで持っても、正方形のセンサーによって常にセンサーの全幅を使った解像度が得られる。
また、スマホを縦向きに持ったまま(横長または縦長の)セルフィーを撮ることができるため、横向きに持ったときのような、斜めからの変なカメラアングルにならずに済む。誰もが左右対称で、画面の中央に収まった見栄えの良い状態で写ることができるのだ。
これは素晴らしいアイデアであり、採用し始めているのはスマートフォンだけではない。最近発売されたDJIのアクションカメラ「Osmo Action 6」も正方形のイメージセンサーを採用しており、撮影後に画質を劣化させることなく、映像を縦向きや横向きに切り抜くことができる。長尺の動画とSNS向けコンテンツを同時に撮影したいクリエイターにとっては理想的であり、今後、より多くのスマホやカメラでこのトレンドが広がっていくと確信している。
AIカメラコーチ
プロの写真家として、パリで散策しながらの撮影にGoogleの「Pixel 10 Pro XL」を持ち出した際、そのカメラ画質には感銘を受けた。では、プロではないが良い写真を撮りたいという人の場合はどうだろうか? そんな人にはPixelの「カメラコーチ」が役立つかもしれない。
これはAI「Gemini」を使って目の前のシーンを分析し、より良い画像を撮影するための手順を段階的に指示してくれる機能だ。例えば、友人の写真を撮ろうとしているとしよう。カメラコーチは、ポートレートモードに切り替え、数歩右に移動し、さらにドラマチックな構図にするために低いアングルから撮影するよう提案してくるかもしれない。
優れた写真家でもある米CNETのPatrick Holland記者はこのツールを使用し、次のように結論づけた。「カメラコーチを使えば、アマチュアが写真愛好家へと変わっていくのが目に浮かぶようだ。AIがあらゆるところにある時代において、GoogleがGeminiを教えるためのツールとして活用しているのは喜ばしいことだ」
高速充電とマグネットアクセサリに対応したQi2.2
Appleの「MagSafe」は長らくiPhoneの目玉機能だったが、同社はその技術要素をオープンな標準規格である「Qi2.2」に提供している。Androidメーカーもこの技術を利用できるため、より多くのAndroidスマートフォンに高速ワイヤレス充電をもたらすだけでなく、アクセサリの共有への道を開くものだ。Qi2.2対応のAndroidスマホは一部のApple MagSafeアクセサリと互換性を持ち、その逆も可能になる。
Googleはこの流行にいち早く乗り、最新の「Pixel 10」シリーズに「PixelSnap」と呼ぶ機能を搭載した。これは基本的にはMagSafeと同様で、Qi2.2規格を使って機能する。Pixel 10のために素敵な新しいワイヤレス充電ドックを買ったとしよう。素晴らしいことに、iPhoneを持っている友人もそれを使えるし、もし後でiPhoneに乗り換えたとしても、新しいドックを買い直す必要はない。最高だ。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
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