
週刊誌記者役の川口春奈さん(左)と、芸能事務所社長役の柴咲コウさん (C)AbemaTV,Inc.
芸能スキャンダルの裏側を大胆に描いた配信ドラマ『スキャンダルイブ』が話題だ。芸能事務所、週刊誌、SNS世論が絡む構造は、近年の性加害問題や炎上事件を思わせる。フィクションでありながら現実と地続きのテーマを扱う本作を通して、いま何が変わりつつあるのかを考えたい。(フリーライター 鎌田和歌)
近年の芸能人スキャンダルを彷彿とさせる
地上波では描けないリアル
複数のメディア関係者から「あれ見た?」「面白いよ」と勧められたのが、ABEMAやNetflixで配信されているドラマ『スキャンダルイブ』だ。12月24日に最終話が配信された。
有名タレントを抱える芸能事務所とタレントの不祥事を暴く週刊誌編集部を舞台に、「スキャンダル」がどのように世に送り出されるのか、また芸能事務所側がそれをどう止めようとするのかが描かれる。
じわじわと評判を集めている理由は、その描写のリアルさにあるだろう。近年の芸能人スキャンダルを彷彿とさせるテーマが織り込まれており、これは地上波ではできないのではないか、と感じてしまうところがある。
この作品が扱っているテーマと、その時事性について考えてみたい。
※以下、ネタバレを含まれます。
第1話は、新作ドラマ発表会でのトラブルからスタートする。井岡咲(柴咲コウ)が社長を務める芸能事務所「Rafale」の所属俳優・藤原玖生(浅香航大)と、同じ発表会に登壇する別事務所のベテラン俳優・麻生秀人(鈴木一真)の衣装がかぶってしまったのだ。
井岡は急いで新しい衣装を用意させ、ギリギリで間に合わせるが、これが自分がかつて在籍したKODAMAプロ社長の児玉蓉子(鈴木保奈美)の嫌がらせであると見抜いている。麻生はKODAMAプロの看板俳優であり、井岡は児玉プロから藤原を引き抜いて独立した過去があった。