
カリフォルニア州車両管理局(DMV)は、同州におけるTesla車の販売を一時的に停止する可能性がある。裁判官が同社の「Autopilot(オートパイロット)」および「Full Self-Driving(フルセルフドライビング)」機能の名称を、誤解を招くものだと判断したためだ。
この判断に基づき、DMVはTeslaに対し、消費者に向けた両機能の説明について対策を講じるための60日間の猶予を与えている。
DMVはプレスリリースで「Teslaが問題に対処しない場合、60日後にディーラーライセンスを30日間停止する処分を受けることになる」と述べた。
この停止処分が下されれば、Teslaは同州で30日間、車両を販売できなくなる。DMVが同州でTeslaに対する措置を申し立てたのは7月のことだが、これは同局が数年にわたりTeslaの広告手法について苦情を申し立ててきた結果である。
その後、TeslaはFull Self-Drivingの説明文とホームページに「スーパーバイズド」(監視付き)という記述を追加した。
DMVは、同州での製造ライセンスも停止すべきだとする裁判官の勧告を退け、その処罰については恒久的な執行停止とした。
Teslaの担当者にコメントを求めたが、即時の回答は得られなかった。
TeslaによるAutopilotとFull Self-Drivingの説明は物議を醸しており、集団訴訟の対象にもなっている。争点となっているのは、同社の機能に関するマーケティングが、ドライバーの監視や操作を必要としないかのように示唆しているかどうかだ。一部の訴訟では、こうしたマーケティングが、Teslaの技術を過信したドライバーによる事故につながったと主張している。
これはTeslaだけの問題か?
法的争いや販売の減速にもかかわらず、Teslaは依然として世界最大かつ最も注目を集める電気自動車メーカーだ。そのため規制や法的異議申し立ての最大の標的にもなりやすいが、自動運転車をめぐる用語の議論はTeslaだけで終わるものではない。
テキサス州の自動運転トラック輸送企業、Bot Autoの最高執行責任者(COO)であるBrian Moore氏は次のように述べた。「自律性を表す用語は一般の人々期待を醸成し、不正確な言葉は、運転支援システムと真の自律システムとの境界を曖昧にする恐れがある。完全な能力を示唆する用語を使いながら実際には人間の監視に依存していれば、混乱が生じる」
Moore氏は、完全に自動化された車両だけでなく、自律機能を持ちながら人間の監視が必要な車両の業界にも、透明性と説明責任、そして車両に何ができて何ができないのかについての明確な言葉が必要だと指摘した。
同氏は、DMVの決定は、そうした環境の構築に向けた前向きな一歩だとしている。
「カリフォルニア州の措置は、自動運転システムが一般の人々に向けてどのように説明されているかを、規制当局がさらに注視していることを示している。透明性に注目することは、業界にとって健全なことだ」とMoore氏は語った。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
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