
ゲーム向けの携帯機やミニPCを製造する中国企業のAYANEOが、スマートフォン市場に参入する。
同社はソーシャルメディアで新製品「AYANEO Phone」を予告し、「真にゲーマーのために作られたスマートフォン」だと述べた。
端末の背面のみを映したYouTube動画では、黒いスマートフォンに2つのカメラ、LEDライト、そしてスマートフォンを横向きに持ったときに使えるとみられる2つのショルダーボタンが搭載されていることが明らかになった。動画と概要欄には、端末の機能、発売日、価格に関する情報はなく、同社のDiscordサーバーへのQRコードが示されるだけだ。
AYANEOの担当者は、詳細を求める問い合わせに対し、すぐには回答しなかった。
AYANEOのAndroidベースの携帯型ゲーム機「Pocket S」に関する米CNETのレビューは好意的だったが、559ドル(約8万6000円)からという価格のデバイスとして、その価格設定、ヘッドホンジャックの欠如、ファンの騒音が購入を踏みとどまらせる要因だと指摘していた。
YouTubeのコメント欄では、AYANEO Phoneに最も期待する機能として、3.5mmヘッドホンジャック、SDカードスロット、ステレオスピーカーなどを望む声が上がっている。
AYANEO Phoneに期待できること
ゲーム重視のスマートフォンは、フルキーボード搭載モデルを含む多様なフォームファクターを携帯型製品で試してきた同社にとって、自然な流れなのかもしれない。
「AYANEOが携帯型ゲーム機市場からスマートフォンに移行することは、実のところ非常に理にかなっているかもしれない」と、米CNETのシニアエディターであるMike Sorrentino記者は語る。「同社はすでにAndroidベースのゲームデバイスを製造しており、それを真のスマートフォンにすることで、より自然なコンパニオン(日常的に持ち運ぶ端末)にできるかもしれない」
同記者は、AYANEOがスマートフォン分野に参入するためには、優れたハードウェアでゲームを提供する以上のことをする必要があると指摘する。
「現在のゲーミングスマートフォン市場に共通する問題は、ソフトウェアとセキュリティのサポートであり、これらはスマートフォンを安全に保つために特に重要だ。従って、市場に投入される新しいゲーミングスマートフォンでは、ハードウェアの仕様だけでなく、その点も優先してほしい」と同記者は述べた。
米CNETのシニアレポーターであるDavid Lumb記者は、ゲーミングスマートフォンはこれまであまり売れておらず、ASUSやREDMAGICといった一部のブランドがささやかな成功を収めているにすぎないと語る。
Lumb記者は、AYANEOが一部のAndroidデバイスでハイエンドの「Snapdragon」プロセッサーを採用している一方で、スマートフォン向けのレトロゲームにはそれほどの性能は必要ないかもしれないと述べた。
「これはパフォーマンスの向上を意味する可能性があり、おそらくそうだろうが、そうした携帯型デバイスでプレイする多くの古いゲームは、それほどの処理能力を必要としない。必要になるのは、比較的新しいゲーム機をエミュレートするときだけだ」とLumb記者は語った。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
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