
ライティング支援ソフトウェアで知られるGrammarlyは米国時間10月29日、幅広いAI生産性ツールに注力するため、社名をSuperhumanに変更すると発表した。
2009年に設立されたGrammarlyは、4000万人以上のユーザーベースを築き、近年はワークスペースプラットフォームの「Coda」や電子メールサービス「Superhuman Mail」を加えて拡大してきた。同社の発表によれば、Superhumanは新たなアイデンティティのもと、日常業務のバックグラウンドで静かに動作する幅広いAI生産性プラットフォームを目指すという。新ブランドSuperhumanは、各ブランドの機能を1つのサブスクリプションにまとめることで、人々がすでに使っているツールを横断して機能する「AIネイティブ」なプラットフォームを構築する試みだ。
このリブランディングには、複数のアプリやワークフローを横断して動作するAIアシスタント「Superhuman Go」の発表も含まれる。
Superhumanの最高経営責任者(CEO)であるShishir Mehrotra氏は、「Superhumanは、われわれの職場におけるAIの考え方を根本的に変えるものだ」と述べた。「Superhumanという名前には、AIは人間の能力を置き換えたり、AIの限界に人間を適応させたりするのではなく、人間の能力を増幅すべきだというわれわれの信念が込められている」
Superhuman Goについて知っておくべきこと
Superhuman Goは、関連情報を自動的に取り込み、接続されたツール間で小さなアクションを実行することで、ユーザーの日常業務を支援する。例えば、電子メール作成時にCRMからアカウント情報を取得したり、会議メモを要約したり、開発チームのためにバグ報告を提出したりできる。
このアシスタントは、「Google Workspace」「Microsoft Outlook」「Jira」「Confluence」など、100以上のアプリと連携する。要約やデータ検索といった特定のタスク用に訓練された「エージェント」と呼ばれる小さなAIモジュールを使用する。
最高製品責任者(CPO)のNoam Lovinsky氏は、その目的は管理すべき新しいツールを増やすことではなく、摩擦を減らすことだと述べた。
「他のAIツールがあなたに働き方の変更を求めるのに対し、Goはあなたの働き方を学習し、あなたに合わせる」と同氏は述べる。「これは、使うことを覚えなければならないAIツールと、積極的に協働してくれるAIパートナーとの違いだ」
「Superhuman suite」とエージェントプラットフォーム
より広範なSuperhuman suiteには、Grammarlyのライティング機能、Codaの共同ワークスペース、Superhuman Mailの受信トレイツールが含まれる。Superhuman Goと組み合わせることで、文章作成、コミュニケーション、プロジェクト管理にわたって、より統一された体験を生み出すことを目指している。
Superhumanは「Agent Store」も導入し、組み込み型およびパートナー開発のさまざまなAIエージェントを提供する。初期のパートナーには、Common Room、Fireflies、Latimer、Parallel、Radical Candor、Quizlet、Speechifyが含まれる。同社は、現在開発者向けクローズドベータ版である「Agents SDK」を通じてラインナップを拡大する計画で、これによりサードパーティーが独自の接続エージェントを構築できるようになる。
Superhumanスイートは現在、有料版ユーザー向けに提供されており、新しいGoアシスタントとAIエージェントを搭載している。「Chrome」および「Edge」の拡張機能で利用可能だ。Mac版とWindows版も準備中であり、Superhuman Goの全機能は2026年2月1日まで無料で試用できる。
Superhumanのローンチと拡大の背景には、文章作成、調査、コミュニケーションを1つのワークスペースに融合させる生産性AIツールの大きな潮流がある。例えば、Googleの「NotebookLM」は、アップロードされた文書や議事録を要約や学習ガイドに変え、OpenAIやGoogleは、生成AIを使ってスライドやプレゼンテーションを作成する手段を提供している。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
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