
華やかさよりも価格と実用性を重視した、割り切りのはっきりした一台だ。
ポータブルモニター市場は、ここ数年で一気に多機能化が進んだ。4KやOLED、タッチ操作、高リフレッシュレートといった要素が並ぶ一方で、価格も構成も複雑になりがちだ。MSIが投入した「MSI Pro MP165 E6」は、そうした流れとは距離を置き、「安く、普通に使えること」を最優先に据えたモデルと言える。
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15.6インチのフルHDパネルを採用し、機能は必要最小限に整理されている。外観もスペックも地味だが、用途を明確にすれば十分に成立する構成だ。価格は1万8598円。セール時には、さらに手頃になることもある。
位置付けとしては明快で、高機能を求めるユーザー向けではない。一方で、余計な解像度や色性能を必要としないのであれば、Plugable USBC-PDMONよりも完成度は高く、Arzopaの代替候補として「価格重視」で選ぶ価値はある。
“映える”画面ではないが、実務用途なら問題ない
まず押さえておきたいのは、MSI Pro MP156 E6の表示品質は高くないという点だ。sRGBカバー率は64%にとどまり、色表現は全体的に淡い。資料作成や表計算といった用途でも、鮮やかさを感じることは少ないだろう。
ただし、実務用途で致命的かと言えば、そうではない。必要な情報は問題なく読み取れる。輝度は十分に確保されており、コントラストも一般的なIPS液晶の範囲内だ。強めのアンチグレア処理により、明るい環境でも視認性は保たれる。
リフレッシュレートは60Hzで、動画鑑賞やクリエイティブ用途、ゲーム向きとは言いにくい。あくまで本機は、メールやチャット、手順書などを表示するサブディスプレイとして使うのが前提となる。
軽量でシンプル、持ち運びに便利
筐体はプラスチック製で、高級感はない。ただ、剛性感は想像以上にしっかりしており、価格帯を考えれば十分に堅実な作りだ。
厚みは下部で約1.3cm、上部は約0.6cm。重量は約800gと軽く、持ち運びの負担は小さい。
背面には90度まで開くキックスタンドを備え、角度調整の自由度は高い。75×75mmのVESAマウント用ネジ穴と、1/4インチの三脚用ネジ穴も用意されており、設置方法の選択肢は意外と広い。一方、端子や操作系が左右に分かれているため、縦置きでの使用には工夫が必要になる。
操作系は最小限に絞られている。クリック操作に対応したダイヤルと電源/戻るボタン、ヘッドホン端子のみという構成だ。
左側面にはUSB-Cポートを2基搭載し、1本のケーブルで映像入力と給電が可能。最大60Wのパススルー充電にも対応し、仕様上はモニター側で15Wを使用、残り45WをノートPCへ供給する設計となっている。薄型軽量ノートであれば、実用上困る場面は少ない。
実測では19.5V/2.93Aを確認した。加えてフルサイズのHDMI端子も備え、接続性は価格帯として十分。L字型コネクターの付属ケーブルや、フェルト調の保護スリーブが同梱される点も、細かな配慮として評価できる。
内蔵スピーカーは控えめな性能だ。音量は大きくなく、音質も並程度にとどまる。音声が聞き取れればいいという用途には対応できるが、多くの場合はノートPC側のスピーカーを使ったほうが快適だろう。
総評
MSI Pro MP165 E6は、映像体験を楽しむためのモニターではない。画質も音質も平均的で、強い個性は感じにくい。その一方で、「安価で、軽く、きちんと使える」ポータブルモニターを求めるユーザーにとっては、非常に分かりやすい選択肢だ。
外出先での作業用に、過度な期待をせず使えるセカンドスクリーンが欲しい。そうした現実的なニーズに対し、本機は価格以上に堅実な答えを提示している。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。