
発売から2年が経った「Ray-Ban Metaスマートグラス」は、筆者のおすすめスマートグラスの中でも最高の製品だ。日常使いには非常に優れたスマートグラスで、バッテリーが頻繁に切れる点だけが玉にきずだ。
しかし、Metaが米国時間9月17日に発表した「Ray-Ban Meta(Gen 2)」の登場で、そうした事態はあまり起こらなくなるかもしれない。同製品の価格は379ドル(約5万6000円)で、初代モデルが販売されているほとんどの国で即日発売される。初代より80ドル高いが、バッテリー駆動時間は2倍になり、内蔵カメラの画質も向上したとうたわれている。
MetaはAI関連の強化もいくつか予定している。ライブ翻訳の対応言語を複数追加するほか、誰かと話しているときに周囲の騒音をフィルタリングできる新しい音声支援モード「会話フォーカス」も搭載する。
筆者は実物を見て、レビュー用の製品をセットアップしているところだ。見た目は以前とほぼ同じだが、日中に突然メガネを充電しなければならない瞬間が少なくなることを期待している。
今回「Meta Connect」で発表された、より高価な2つのスマートグラスも、Ray-Ban Metaシリーズに加わる。1つはOakleyの新しいラップアラウンド型スポーツグラス「Oakley Vanguard」(10月21日発売、499ドル:約7万3000円)、もう1つはレンズにディスプレイが内蔵され、ニューラルリストバンドが付属する未来的なモデル「Meta Ray-Ban Display」(9月30日発売、799ドル:約11万7000円)だ。
バッテリーとカメラの強化
Ray-Ban Meta(Gen 2)は、フレームのデザインや重量は従来モデルと似ているが、バッテリー駆動時間は(Metaによると)4時間から8時間に延び、カメラはより高解像度の3Kで動画撮影が可能になった。このスマートグラスには、スローモーションとハイパーラプスという2つの新しい動画撮影モードも追加される。これはOakleyのスポーツモデルにも搭載される予定で、筆者はMetaのキャンパスで行われた短いハンズオンデモでそれを確認した。これらは歓迎すべき追加機能だが、撮影できる写真や動画は、依然として制約の多い縦長の広角フォーマットに限られる。
充電ケースを使えば、バッテリー駆動時間は48時間になるという。また、20分でバッテリーを50%まで充電できる急速充電モードもある。もし、うたい文句通りに機能するなら、予備のメガネなしで1日過ごせるかもしれない。充電中に少し休憩する時間さえあれば、の話だが。

提供:Meta
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会話フォーカス:もう1つの支援機能
Metaの最新のリアルタイム音声処理技術は、Appleの「AirPods」の機能を彷彿とさせるもので、非常に役立つ可能性がある。会話フォーカスモードは、周囲の騒音を除去し、向かい合っている相手の音源を認識することで、会話を聞き取りやすくする。筆者はまだこれを試していないが、支援ツールとしてのMetaのスマートグラスに新たな可能性を開くかもしれない。ただし、このモードをオンにし続けた場合に、バッテリーがどの程度消耗するのかは不明だ。
ライブ翻訳は6言語に対応
Ray-Ban Metaは、AppleのAirPodsと同様に、すでにライブ翻訳機能を搭載しており、今回ポルトガル語とドイツ語にも対応した。しかし、翻訳できる言語がもっと増えてほしいところだ。他の対応言語は、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語となっている。
Appleの「AirPods Pro 2」「AirPods Pro 3」も、英語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語と、対応言語は似ているが、Appleは2025年末までにイタリア語、中国語(簡体字)、日本語、韓国語を追加する予定だ。一方、Googleはスマートフォンの「Google翻訳」アプリを介して70言語のライブ翻訳に対応している。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。