
タイトルから「2」を外した「オーバーウォッチ」(PC / PS5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch / PS4 / Xbox One)の2026年シーズン1で大きな目玉となるコンテンツの1つが,5体の新ヒーロー同時実装だ。
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ウーヤンの姉である「アンラン」,コミュニティでその存在が長らく語られていた「ジェットパック・キャット」,フレイヤの旧友でもある「エムレ」,4人目の日本人ヒーロー「ミズキ」,シンメトラが所属する企業・ヴィシュカーの創始者の孫娘「ドミナ」など,ストーリーでの重要な立ち位置や話題性を持つ5体だ。
| 名前 | ロール | サブロール | 陣営 |
|---|---|---|---|
| ドミナ | タンク | ストールワート | タロン |
| アンラン | ダメージ | フランカー | オーバーウォッチ |
| エムレ | ダメージ | スペシャリスト | タロン |
| ミズキ | サポート | サバイバー | タロン |
| ジェットパック・キャット | サポート | タクティシャン | オーバーウォッチ |
※ストールワート:受けるノックバックとスロー効果が軽減される
※フランカー:ライフ・パックのライフ回復量が増える
※スペシャリスト:敵をキルすると,短時間リロード速度が上がる
※サバイバー:移動アビリティを使用すると,自己回復パッシブが発動する
※タクティシャン:アルティメットを余分にチャージできる。余剰分はアルティメット発動後にそのままチャージ率へと変換される
■そのほか,サブロール一覧については,まとめ記事を参照してほしい(関連記事)
本記事では,アメリカ・アーバインのBlizzard本社で新ヒーローの先行体験や,ヒーローデザインを担当する開発スタッフへの日本メディア合同インタビューをお届けする。なお,ナラティブやUI/UXなどに関するインタビュー,新情報のまとめについては別記事を参照してほしい。
新ダメージ・ヒーロー「アンラン」
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まず紹介するのが,2月6日から2月11日までヒーロー・トライアルを実施予定のアンランだ。水を操るサポートの弟・ウーヤンに対し,炎を操る攻撃的なヒーローである。
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[左クリック]メイン攻撃「朱雀扇」は,扇を使い,炎を2発ずつ発射する。攻撃を命中させるとゲージが表示され,これがいっぱいになると敵が炎上する。通常の相手は4ヒット,タンクは6ヒットで燃える。
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[右クリック]サブ攻撃「煽火風」は,風を仰ぐ貫通攻撃だ。基本威力は低いが,炎上中の相手には大ダメージを与えられる。対峙する側からすれば,炎上の継続ダメージも右クリックのバーストダメージも脅威だ。
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[Shift]アビリティ「怒炎衝」は,前方に突進し,敵にぶつかると炎ダメージを与え,炎上スタックも蓄積する。向いている方向に動くため,ゲンジの「風斬り」ほどではないが,上方向への移動も可能だ。
2スタックあるので,敵陣へ飛び込んで離脱したり,連続で使用して高台に移動したりといった運用もできる。
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[E]アビリティ「熠閃舞」は,フェードアウトのような状態になり,あらゆるダメージを回避しながら,付近の敵を自動的に攻撃するものだ。巻き込んだ敵の数が多いと,フェードアウトの時間が伸びるほか,発動中に少しだけ移動できるので,使用後の位置を読まれないようにできる。
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アンランの特徴は,アルティメットが2種類あるということだ。1つが通常通りに使用する「朱羽焚」。これは突進して,ヒットした敵を爆破し,即座に炎上させるものだ。
2つ目の「朱魂返」は,アルティメット使用可能な状態で倒されると,数秒間の発動猶予が与えられる。発動すると,大きな爆発を巻き起こして復活する。
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上記のように,かなり攻撃的なアタッカーだ。先行体験では,初心者からベテランまでいたのだが,アンランをいきなり使いこなすプレイヤーがいて,圧倒的な火力に泣かされた。噂によると,韓国メディアのプレイヤーだったそうな。
日本メディアは5人同じチームだったので,笑い混じりの阿鼻叫喚だった。
新サポート・ヒーロー「ジェットパック・キャット」
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メディア陣がプレイ中,もっとも盛り上がっていたのが,ジェットパック・キャットな気がする。にゃーにゃー楽しそうな声を上げていた。ボイスは「にゃー」だし,常時自由に飛び回れて機動力も高く,これまでにない操作感が魅力だ。
もともと2017年頃に没案として噂(外部リンク)されていたキャラクターで,今回サプライズ実装となった。
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[左クリック]メイン攻撃「バイオティック・パウショット」は,味方を回復し,敵にダメージを与える散弾だ。形状が肉球になっており,射程40mで弾が消滅する。弾速が遅いので,当てるにはコツがいりそうだ。
[右クリック]アビリティ「ワイルド・フライト」は,リソースを消費して,加速する。直感的に飛び回れるため,操作していて楽しい。
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[E]アビリティ「ゴロゴロ」は,ノックバック効果と回復効果を持つパルスを発射する。
[Shift]アビリティ「ライフライン」は,味方を空輸できるものだ。運ばれる味方は1人称視点を維持し,ジェットパック・キャット側は3人称視点に切り替わり,任意の場所で降ろせる。運搬中は,移動速度が上昇し,繋がれた味方は回復する。
強制的には運べず,発動中に近くの味方がインタラクトボタンを押すことで運搬状態になる仕組みだ。
運搬中の味方は自由に射撃可能で,アッシュのボブやバスティオンで上空から弾幕を浴びせたり,ファラのような空中戦ヒーローの滞空時間を延ばしたりできる。
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[Q]アルティメット「キャットナッパー」は,突っ込んで周囲をノックダウンさせつつ,一番近い相手を引っ張るものだ。引っ張ったままエリア外へ投げ捨てることも可能だ。
先行体験ではジェットパック・キャット同士の空中戦,いわばドッグファイトになる場面もあり,落とした敵を相手側のジェットパック・キャットが救出する場面もあった。
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新サポート・ヒーロー「ミズキ」
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次に紹介するのは,4人目の日本人ヒーローのミズキだ。河童をモチーフにした青年で,鎌や笠,結界などを駆使して戦う。ハンゾー,ゲンジ,キリコは壁登りを持ち,日本人ヒーロー=壁登りという印象も強いが,ミズキには搭載されていない。
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本記事後半に掲載するインタビューで語られているが,日本人だからといって壁登りできることはないそうだ。自分で聞いておきながら,確かにと思ってしまった。
ミズキは攻撃やアビリティを使うことで,ゲージが溜まり,それに応じて範囲ヒールの回復量が増加する仕組みだ。そのため,ダメージ量,回復量ともにスタッツが伸びやすい。
[左クリック]メイン攻撃「霊伐鎌」は,回転する鎌を飛ばして,複数の敵にダメージを与えられる。
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[右クリック]アビリティ「快気の笠」は,回復効果のある笠を味方に投げる。笠は周囲の味方へ跳ね返ったのち,ミズキの元へ戻り,戻ったタイミングでミズキ自身も回復する仕組みだ。
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[Shift]アビリティ「形代」は,紙人形を置いて前方に跳躍し,再入力で設置地点へワープできる。発動中は移動速度も上昇する。範囲回復がメインのため,味方の近くに行き,危なくなったら発動地点に戻るようなイメージだ。
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[E]アビリティ「呪縛」は,鎖を放って敵を拘束する。鎖が最初に当たった敵には移動妨害も付与される。フィニッシュブローを決めるきっかけを作りやすい。
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[Q]アルティメット「霊域結界」は,外部からの投射物を吸収して防ぎ,内部の味方の回復量を増加させる結界を展開する。遠距離からの攻撃を防ぎ,接近戦を相手に迫りつつ,チームを立て直せる。ヒーロー特性上アルティメットが溜まりやすく,発動後の使い勝手も良好だった。
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新ダメージ・ヒーロー「エムレ」
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エムレは,元オーバーウォッチの心あたたかな英雄で,現在はタロンの冷酷な殺人鬼であるという。最近公開されたコミック「サーチ・アンド・デストロイ」では,主人公フレイヤとエムレの再会シーンが描かれている。
キャラクター性能的にはかなりオーソドックスで,新ヒーローの中では一番とっつきやすいと感じた。ADS対応ライフル,グレネード,サブウェポンのピストルというFPSの定番装備に,独自の味付けを加えたヒーローだ。
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[左クリック]メイン攻撃「シンセティック・バースト・ライフル」は,3点バースト式のライフルだ。右クリックでズームすると射撃精度が向上し,距離減衰の開始距離も延びる。
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[E]アビリティ「サイバー・フラグ」は,投げたあとに起爆までの間があるグレネードだ。地面や壁にバウンドさせると即座に爆発する。2チャージあり,足元に投げて,高所を取る運用も可能だ。
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[Shift]アビリティ「サイフォン・ブラスター」は,爆発する弾を装填したピストルを装備して戦う。ヒートゲージが用意されており,素早く連射するとヒートゲージによってモードが終了するため,撃つリズムに気を付けるような仕組みのようだ。
ライフ吸収効果に加え,効果中は移動速度とジャンプ力が向上する。
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[Q]アルティメット「オーバーライド・プロトコル」は,飛び上がって上空から攻撃するもので,連射力に優れた[左クリック]の「ライト・ショット」と,重いチャージ攻撃を放つ[右クリック]の「ヘビー・ショット」が用意されている。
右クリックで,地面や壁を打つことで自分自身をノックバックさせ,敵陣に飛び込むような運用も可能だ。
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新タンク・ヒーロー「ドミナ」
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最後に新タンク・ヒーローであるドミナを紹介する。ロングレンジを生かして戦うポーク型のタンクで,相手をけん制しながら,エリアを確保していく。ダメージ系のアビリティを持っており,アビリティでダメージを与えるとシールドを回復するパッシブ効果がある。
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[左クリック]メイン攻撃「フォトン・マグナム」は,中距離まで届くビーム攻撃だ。ビームを撃ち続けると高威力のチャージショットのようなものを放ち,再度ビームに戻る仕組みだ。
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[右クリック]アビリティ「バリア・アレイ」は,複数のパネルで構成されたバリアを設置する。従来のバリアと異なり,パネルごとに耐久力が設定されており,1枚が割れても残りは機能する。
先行体験では,敵を狙うと自然と同じパネルを撃つ/撃たれることが多く,1,2枚のパネルはすぐに割れていた印象があるので,アングルの作り方が重要になりそうだ。
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[E]アビリティ「クリスタル・チャージ」は,爆発するクリスタルを発射する。着弾後に爆発するほか,任意のタイミングで起爆できる。
[Shift]アビリティ「ソニック・リパルサー」は,敵を押しのけるアビリティだ。押しのけた敵が壁にぶつかると,スタン状態にさせられる。
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[Q]アルティメット「パノプティコン」は,投射体を発射し,敵を貫通したうえでバリアの中に閉じ込める技だ。バリアは一定時間後に爆発するため,閉じ込められた敵は自力か味方の援護でバリアを破壊しなければならない。
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新たな5体のヒーローはどのように作られたか。開発陣に聞いた
新たなヒーローたちのゲームデザインはどのように行われたのか。Blizzardの社屋で実施された日本メディア合同インタビューの模様をお届けする。参加者はアソシエイトディレクターのAlec Dawson氏,リードヒーロープロデューサーのKenny Hudson氏,ヒーローデザイナーのScott Kennedy氏の3名だ。
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――新ヒーローが5体同時に登場します。すでに多くのヒーローがいる中で,被らないように個性を出す必要があったと思います。各ヒーローで,どのようなことを意識してデザインしたのかを教えてください。
Alec Dawson氏:
この5体を考えたときに,まず強く意識したのは,全員がはっきり違うプレイスタイルを持つことでした。ドミナは久々のポークタンクであり,機動力で攻めるのではなく空間制圧に焦点を当てています。
エムレは,バトルライフルで戦う気持ちよさを,ダメージ・ロールでしっかり形にするのを目的にしたヒーローです。似た要素は過去にありましたが,掘り下げ切れてはいませんでした。
久しぶりに復帰した人や,初めてオーバーウォッチに触れる人でも比較的すぐに扱えるよう,とっつきやすいヒーローに仕上げたいと思っています。
アンランは,アグレッシブです。バックラインに飛び込んで,かき乱すようなハイリスク・ハイリターンなプレイスタイルですね。
一方で,ジェットパック・キャットは,ゲームの中でもまったく別の体験になるように作っています。サポートとしての価値が,味方を回復するだけでなく,味方とどうコミュニケーションをとるのかが重要になります。
そして,ミズキは,ダメージも出せるヒーラーというハイブリッドな方向性です。前に出て戦う必要がある一方で,味方を自分の回復範囲に入れ続けるために,頻繁なポジショニングが求められます。
5体は,それぞれが違う体験を提供できるように,意図して揃えました。5体のうち少なくとも1体は,自分に刺さるヒーローになるのではないか,と思っています。
――相手のジェットパック・キャットに気を取られている間に,アンランに倒される場面がありました。この視線誘導は意図的に設計されたのでしょうか。
Scott Kennedy氏:
そこは,ジェットパック・キャットのユニークな点の一つですね。自身のポジショニングが重要なのはもちろんですが,味方のポジショニングを助けることが,このヒーローの核にあります。
機動力が高く,どこへでも行けます。離脱も速いので,トレーサーのように相手をかき乱すこともできます。
Alec Dawson氏:
味方をどこへ運ぶかだけでなく,自分がどこから戦況を俯瞰するかも重要です。常時飛行できるため,戦場全体を見渡せます。
――キャスディのアルティメットとの組み合わせも強そうですね。
Scott Kennedy氏:
強いです。D.Vaの自爆やアッシュのボブも運べます。いろいろ試してみてほしいですね。
――ジェットパック・キャットを遊んでいて,味方や敵を拾って落とすというのがユニークで面白かったです。この発想のインスピレーション元は何でしたか。ほかの4人についても,インスピレーションの話があれば聞きたいです。
Kenny Hudson氏:
ジェットパック・キャットは,コミュニティだけでなく,開発チームの中でも長い間ずっと話題に上がってきたヒーローです。最初期のコンセプトアートは,たぶん7,8年くらい社内の廊下に貼られていたと思います。
今回,多くのヒーローを同時に作る機会が生まれ,5体同時実装を決めた時点でジェットパック・キャットの採用は自然な流れでした。
開発として最優先だったのは,常時飛行をヒーローとして成立させてテストすることでした。
そこから,「どんなヒーローにするか」「世界観にどう馴染ませるか」「物語にどう結びつけるか」「どんな声を出すのか」まで,全部が新しい挑戦でした。
ほかの4人については,既存の派閥やストーリーラインを掘り下げられたのが良かったですね。今年は物語がヒーロー制作の軸になっている感覚があって,その方針転換が大きいです。
ドミナでは,ヴィシュカー周りをさらに掘り下げられたのが,ファンとしてもうれしかったです。アンランは,初めて姿を見せてからあまり時間を置かずに,ゲームへ連れてこられるのが面白い。
エムレも,昔のコンセプトアート1枚から長く待たれてきた存在なので,プレイヤーのためにも,そして私たち自身もフランチャイズのファンとして,ようやく作れることがうれしいヒーローです。
――今年は合計10ヒーローが登場し,サブロールやパークなども加わります。復帰プレイヤーや新規プレイヤーが感じる複雑さやハードルの高さについて,どのように受け入れてもらおうと考えていますか。
Alec Dawson氏:
むしろ今は,オーバーウォッチに戻るのに一番いいタイミングだと思います。みんなと一緒に学び直せるからです。
このゲームには発見の期間があります。最適な構成は何か,誰が最強なのかがまだ確定していない時期ですね。ヒーローが5体追加され,サブロールが導入され,バランスも変化すれば,ゲームは新鮮になり,再発見の瞬間が訪れます。ベテランにとっても同じです。
復帰でも新規でも,みんなが同じように学び直す環境になる。そこに乗るのは,いい体験になると思います。
――新ヒーロー5体は,役割が分かれていて,パーティセットとしてきれいに見えました。この5体で遊んでほしい,という意図は込められていますか。
Alec Dawson氏:
その意図はありません。この5体だけが一番いい構成だとは考えていません。
たとえばジェットパック・キャットなら全員飛べる編成もできますし,ドミナなら長射程を添えてバリアをより生かす形もある。アンランならダイブ構成に自然に入ります。
シーズン序盤は新ヒーローに注目が集まると思いますが,私が一番ワクワクしているのは,どこに収まるのか,という点です。5体だけで完結するのではなく,混ざったときに,こちらの想像を超える構成が出てきて驚かせてくれるはずです。
先ほどのプレイテストで一番怖かったのは,ジェットパック・キャットがバスティオンを運んでいて,そのバスティオンにマーシーがくっついていた構図ですね。
――競技シーンでプロがどんな戦術を編み出すのかも楽しみです。
Scott Kennedy氏:
私も,彼らがどの組み合わせを作り出すのかが一番楽しみです。ダイブも面白そうですし,高機動サポート同士で何が起きるかも見たい。
それにミズキは,チームが密集して連携するほど回復が強くなります。eスポーツの歴史を見ても,固まって動く構成はずっと強かったので,それを後押しするかもしれない。
アンランも,ある意味でゲンジのように,上限がものすごく高いヒーローです。世界最高峰の選手が使ったとき,どのようなプレイを見せるのか。そこが楽しみですね。
――ミズキは4人目の日本人ヒーローですが,なぜこのタイミングで新たな日本人ヒーローを制作しようと思ったのでしょうか。また,アルティメットは呪術廻戦の領域展開にも着想を得ていますか。
一同:
(笑)
Kenny Hudson氏:
ミズキはキリコと深く関わる形で,既存のストーリーラインをさらに掘り下げる役割を担っています。妖怪ギャングのコンセプトアートは私たちのお気に入りの1つで,どの物語を語るかを考えるときの出発点になっています。
確か鳥居の前だったと思うんですが,グループの写真があって,そこにミズキのインスピレーションが見て取れます。そうした既存要素を膨らませて,物語を前に進めたかったんです。
Scott Kennedy氏:
ミズキのキットは,かなり多くのバリエーションを試しました。パッシブのオーラも含めて,いろいろ調整しましたね。
アルティメットについては,外から干渉できない,中にいる側が強くなる,という発想で,領域展開的なイメージからのインスピレーションはあります。
サポートのアルティメットとして,大量の体力やオーバーヘルスを付与して守るだけにはしたくありませんでした。守っている感覚はあるけれど,単なる数値の増加ではない方向を目指しました。
パッシブも周囲を回復しながら,時間経過で成長していく設計にしたいと考えました。成長していく回復ですね。イメージとしては,ルシオのオーラとザリアのエネルギーを組み合わせたような方向で,サポートとしてのゲームプレイループが面白くなると思っています。
――ヒーローを設計するうえでの優先順位について教えてください。物語が先なのか,アビリティなどキットが先なのか,デザインが先なのか。
Alec Dawson氏:
優先順位はヒーローごとに異なります。
ただ今年は特に,年間を通じて一貫した物語の軸を作りたいと考えています。だから,今年出す10人は,それぞれが何らかの形で今年の物語に貢献するようにしています。
そのうえでゲームプレイの観点では,常にユニークな体験が最優先です。誰かの代わりに感じさせないこと,そのヒーロー固有の個性を持たせることです。
具体的には「まだ実装していないことは何か」「選択肢が不足している枠はどこか」「このメカニクスをもっと掘り下げたい」といった問いから検討を始めます。
今年は物語を大きく前進させつつ,ゲームプレイ面でも差別化されたヒーローを継続的にリリースしていく流れになると考えています。
――これまでの日本人ヒーローには壁登りがある印象でしたが,ミズキには搭載されていません。ミズキのバックグラウンドが異なるからでしょうか。
Scott Kennedy氏:
壁登りがない理由は,物語的な理由ではありません。キットを見たうえで判断しました。
壁登りを入れることも検討しましたが,このキットには不要と判断しましたし,入れると既存ヒーローと似てしまいます。ミズキはミズキとしてユニークであるべきなので,あえて入れませんでした。
縦方向の機動力がなくても十分に立ち回れます。日本人だから壁登り,という理由で決めているわけではありません。
……ただ,その質問は本当に多く聞かれました(笑)。
――最後の質問です。5体それぞれ特色が異なりますが,調整が大変だったヒーローと,比較的スムーズに決まったヒーローを教えてください。
Alec Dawson氏:
正直,全員それぞれ難しかったです。
エムレはとっつきやすく,慣れ親しんだ感触もあります。ただ,その馴染みを保ちながら,新鮮さを感じられるよう細部を詰めるのが難しかったです。十分な手数が出るようにしつつ,でも古い感じにはしない,という調整です。
一方で,特に注意深く見ているのはジェットパック・キャットですね。味方を運ぶ時間にほぼ制限がなく,再使用のクールダウンも短いです。プレイヤーには創造的な自由を渡したい。しかし同時に,この自由度で何をされるのかという懸念もあります。
Scott Kennedy氏:
アンランもかなり注意深く見ています。近距離で高いダメージを出しつつ,機動力も高い。少し弱いと無力感があり,少し強いと圧倒的すぎる。紙一重のバランスです。
内部テストでも,慣れるのが難しいと感じる人がいました。危険な位置に入り込んでしまって,クールダウン管理ができずに脱出できない,ということが起きる。プレイヤーがどれくらいの速度で適応していくのか,そこも含めて見ていきたいです。
――本日はありがとうございました。
Alec Dawson氏:
こちらこそ,ありがとうございました。日本のプレイヤーコミュニティの情熱は強く感じていますし,皆さんがローカルイベントを開催してくださっていることにも感謝しています。新たな5体が加わるシーズン1に,皆さんがどう反応し,どう使ってくれるのか,本当に楽しみです。ぜひ遊んでください。






























































