
紙のレシートは、当たり前に受け取るものなのか。それとも、見直す余地のある「無駄」なのか。流通大手イオンが、その「問い」に具体的な数字を示した。
イオンは、グループ共通アプリ「iAEON」で発行している電子レシートの利用が、2026年1月末までに累計1億枚を超えたと発表した。2024年6月のサービス開始から、1年8か月での到達だという。つまり、1億枚の紙のレシートを削減できたことになる。
電子レシートは、紙を受け取らなくても、購入情報が自動的にスマートフォンに保存される仕組みだ。「イオン」や「マックスバリュ」、「まいばすけっと」など、全国およそ4000のグループ店舗で利用でき、レジで特別な操作は必要ない。この“手間のなさ”が、利用の広がりを後押ししているという。
1億枚という数字は、環境への影響としても無視できない。イオンによると、紙のレシートに換算した場合、約125トンの紙資源を削減したことになり、守られた木の本数は2万8000本以上にのぼるという。1枚を20cmと仮定すると、1億枚はおよそ2万km。地球の半周にあたる距離になる。紙の生産や廃棄に伴う二酸化炭素の排出削減にもつながるとしている。
利用者の実感も数字で示された。イオンが1月に行ったアンケートでは、電子レシートを使う人から「紙ゴミが減って気持ちがすっきりした」「スマホでいつでも見返せて安心」「会計がスムーズになった」といった声が多く寄せられたという。
会計時のわずかな動作の積み重ねも、見逃せないという。紙のレシートを「受け取る」「財布にしまう」「捨てる」までの時間が、1回あたり3秒短くなると仮定すると、1億枚で節約された時間は約9年半に相当する。イオンは、社会全体で見れば「ひとりの人生の約10年分」にあたる時間価値だとしている。
さらに、家計面での変化も浮かび上がった。電子レシートを利用している人は、クーポンの利用回数が月平均4.6回で、割引額はおよそ700円となっている。アプリ利用者全体の平均を上回っており、物価高が続く中で、電子化が「お得」にもつながっていると分析している。
イオンは今後も電子レシートの機能を拡充し、使いやすさを高めるとしている。
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