
ポルシェは、電動SUVに「マカン GTS」を追加した。GTSの名にふさわしく、期待通りの攻撃的な仕上がりだ。新型マカン GTSは最高速155mph(約250km/h)、0〜62mph(約100km/h)加速3.8秒、最大出力420kW(571PS)を発揮する。米国では10万3500ドルから予約を受け付けており、納車は2026年初頭に始まる予定だ。
その性能はそのスピードとパワーは印象的だが、テスラ「Model Y パフォーマンス」と正面から競合する。テスラは0〜60mph加速3.3秒、約460bhpの出力を持ち、価格も5万7500ドルからと優位に立つ。ただし、ポルシェは内燃エンジン時代からの伝統を受け継ぐ洗練されたバランスとドライバーが主役の走りで対抗する。
電動マカン GTSの特徴
マカン GTSは、単なるスペック競争ではなく「魂のある電動車」を狙ったとみられる。ラインアップで最強の後輪モーターを採用し、ローンチコントロール時には最大420kWと955Nmを発揮。
「マカン ターボ」の構成を継承し、電子制御式リアデフロックやPorsche Torque Vectoring Plusを搭載。前後重量配分は48:52と後ろ寄りで、標準車より10mm低いスポーツエアサスペンションを採用した。これにより、100kWhクラスの電動SUVとは思えないスタンスと俊敏性を実現した。
音の演出にもこだわった。ポルシェ独自の「Electric Sport Sound」はGTS専用チューニングが施され、Sport/Sport Plusモードで音色が変化。人工的ではあっても、電動車特有の無音感を和らげ、運転の高揚感を演出する。
さらに「タイカン」由来のトラックモードも採用。バッテリーの冷却性能を高めることで、高負荷走行時でも出力低下を抑える。繰り返し加速でパワーが落ちやすいテスラ「Model Y パフォーマンス」との差別化ポイントだ。
外観もGTSらしい迫力に満ちている。フロント、サイド、リアにかけてブラックアクセントが入り、ヘッドライトとテールライトはスモーク仕上げ。リアのディフューザーが存在感を強調する。標準で21インチホイールを装備し、オプションで22インチのRSスパイダーデザインホイールも選べる。
インテリアはポルシェらしい上質な仕立てで、シートやステアリング、アームレスト、ダッシュボードまでRace-Tex素材で統一。カーマインレッド、スレートグレーネオ、ルガーノブルーのステッチやシートベルトを選べば、外装カラーとトータルでコーディネートできる。
「GTSは、性能とスタイルを程よく両立した“ちょどいい”グレードだ」と自動車評論家のスティーブ・ファウラー氏。「マカン Electric GTSもその例外ではなく、最上位に匹敵する走りを、より現実的な価格で手に入れられる」と評価する。
航続距離はWLTP基準で最大363マイル(約584km)。270kW対応のDC急速充電では10〜80%を約21分で完了する。スポーティな性能を持ちながら、日常使いにも十分対応する実用性を備える。
テスラ「Model Y パフォーマンス」が価格と加速性能で優位に立つ一方、マカン GTSはポルシェらしい伝統的なドライビング体験で勝負する。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。