
多くのテニスファンにとって、1年は今週開幕する全豪オープンから始まる。しかし、私にとってのテニスカレンダーは、年始のラスベガスから始まった。米CNETのノートPC担当リードエディターとして、CES 2026で最高にクールなノートPCや最新プロセッサーを探し回って1週間の大半を過ごした後、ラスベガス最終日に少し時間ができたので、展示会場で2台のテニスロボットをチェックすることができた。
AIロボット全般に対する私の印象は「まあまあ」といったところだ。芝を刈ったり、洗濯物を畳んだり、ペットに餌をあげたり、寝室を共にしたりするロボットは必要ない。だが、私のバックハンドを上達させてくれるかもしれないAIロボットとなれば、話は別だ。がぜん興味が湧いてくる。
Acemateのロボットとラリーしてみた
最初に立ち寄ったのはAcemateのブースだ。そこでは同社のテニスロボットが、ミニテニスコートを左右に行き来しながら、次々と入れ替わる来場者とラリーを繰り広げていた。私は列に並んで待ち、順番が来たのでコートに入ってラケットを持ち、「Acemate Tennis Robot」とのラリーに挑んだ。
これは人型ロボットではない。ロジャー・フェデラー氏のように動き、ラファエル・ナダル氏のようにトップスピンのフォアハンドを打ち込み、ココ・ガウフ選手のようにバックハンドを炸裂させ、あるいはベン・シェルトン選手のように爆速サーブを放つわけではない。腕も脚もなく、ラケットを使ったラリーはしない。見た目は、車輪がついた球出し機の上に大きなネットが載っているような姿だ。しかし、これは普通の球出し機とは大きく異なる。
車輪を使ってコート内を駆け回り、上部の大きなネットでこちらが打ったボールをキャッチする。2基の4K双眼カメラを搭載したAcemateは、ラケットから放たれたボールを追跡し、ショットの正面へ移動してネットで捕球する。そしてボールをキャッチするとすぐに次のボールを打ち返してくるため、まるで人間の対戦相手とプレーしているような感覚を味わえる。
コートに入ってみると、Acemateの動きは驚くほど速く、こちらのラケットから放たれたボールを読み取って正面に入り、ラリーを継続させる精度には感心した。しかもこれは、実際のテニスコートのほんの一部ほどのサイズしかないミニコートでの話だ。ショットの合間にもっと時間とスペースがあれば、このロボットはさらに実力を発揮するだろう。
Acemateによれば、このロボットは最大秒速5mで移動できるという。これは、私がコート上で動けるスピードよりも確実に速い。また、4つのメカナムホイールを搭載しているため、あらゆる方向に移動してショットに追いつくことができる。上級プレーヤーの球速には苦戦するかもしれないが、USTA(全米テニス協会)のレベル3.5以下のプレーヤーであれば、Acemateは十分に追従し、ラリーを続けられるはずだ。
デモ中に印象的だったのは、ネットでボールをキャッチしてから次のボールを打ち出すまでのタイミングだ。この間に、ラリーの流れるような感覚を損なう不自然な遅延はなかった。また、次のボールを出すのが早すぎて人工的に感じることもない。Acemateの見た目は人間ではないが、プレーのペースは非常に自然に感じられた。
2基のカメラは、ラリーを続けるためにボールを追跡しているだけではない。速度、スピンの量、深さ、配球、ネット上の高さなど、こちらのショットに関するデータを収集し、リアルタイムでフィードバックを提供してくれる。これにより、自分のショットをその場で修正できるのだ。また、このカメラによってAcemateは正確な判定もできる。コートの半分を25のゾーンに分割しており、特定の場所を狙う練習も可能だ。
もしAcemateがテスト用にロボットを送ってくれたら、最初のトレーニングセッションでは、バックハンドを鍛えるためにゾーン16、17、21、22だけにボールを打つよう設定するだろう。「Acemate」アプリを使えば、さまざまなドリルをカスタマイズできる。私はすでに「ジョーカー・ディフェンス」と名付けた練習メニューを設定している。これは、史上最高のプレーヤーといえるノバク・ジョコビッチ選手のように、左右のコーナーを守るために走り回されるものだ。
コートの特定のエリアを狙わせるだけでなく、トップスピンやバックスピンでボールを供給するように設定することもできるため、両方のスピンへの対応を練習できる。さらに、ネットを越える高さも調整可能だ。これにはロブを打たせるドリルも含まれており、練習不足になりがちなスマッシュの練習もできる。
ラリーモードではスピードは一定のようだが、ロボットが静止する球出しモードに切り替えれば、打ち出されるボールの速度を最大で時速60マイル(約96.5km)まで調整できる。また、ボールボーイモードも搭載されており、自分の近くに配置してゆっくりボールを出させて、ベースラインでひたすらサーブの練習をすることも可能だ。カメラはジェスチャーを認識するため、手を振るだけでボールを出すよう指示できる。
Acemate Tennis Robotは1月中に出荷予定で、初期の価格は1599ドル(正規の小売価格は2499ドル)。1〜2カ月後にはピックルボール版も登場する見込みだ。Acemate Tennis Robotには取り外し可能なバッテリー、ポータブル充電器、1年間の保証が付属する。同社はバッテリー駆動時間を2時間と見積もっており、予備のバッテリーは99ドルで購入できる。
テニスとバスケの練習に対応するLumistar
次に向かったのはLumistarのブースだ。そこではテニスとバスケットボールの両方のロボットが展示されていた。もっとも、同社はこれらを「ロボット」ではなく「AIトレーニングシステム」と呼んでいる。おそらくどちらも静止型だからだろう。
バスケットボール用の「Carry」が目玉で、CESの来場者が交代でシュートを放ち、ボールを返してもらう体験をしていた。カメラがジェスチャーを理解するため、合図を出してボールを要求できる。AIがシュートの成否だけでなく、フォームも分析してくれる仕組みだ。ゴールとバックボードを囲む大きな回収ネットは少し気になったが、シュートを放つ際にボールが小指側に流れて右に外れてしまう私の癖を直してくれるなら、すぐに慣れるだろう。
元ストリートバスケのプレーヤーで、現在はテニスに熱中している私は、テニス用AIトレーニングシステムの「Tero」の方に興味を惹かれた。LumistarのブースにはTeroで実際に打つための十分なスペースがなかったが、その機能を聞くだけで私の関心を引くには十分だった。
これには車輪がついているが、あくまでコートまで運ぶためのものだ。コート上に設置すると、Teroは静止した状態になる(将来のバージョンでは、人間らしくさまざまな角度からボールが来るように、コート内を動き回るようになると聞いた)。その場に固定されるものの、Teroはデュアルモーターを搭載した3軸ジンバル機構を備えており、さまざまな軌道やスピンでコートのあらゆる場所にボールを飛ばせる。
2基の4KカメラとAIチップを内蔵したTeroは、コート上でのこちらの位置やショットの行方を把握し、単に決まったパターンで打つ標準的な球出し機とは異なり、適切な場所に次のボールを飛ばす。位置情報を把握しスイングの強さを追跡するために、ユーザーは「Apple Watch」に似たリストバンド型デバイスを装着してプレーする。Teroはトレーニングに飽きさせないためのさまざまなモードを備えており、ショットを追跡してセッションごとのレポートも作成してくれる。
Lumistarは3月からテニスロボットの2モデルを展開する。ベースモデルのTeroは約1000ドル、デュアルカメラと3つの追加AIトレーニングモードを備えた「Tero Pro」は約2000ドルになる予定だ。バスケットボール用のCarryは3000~4000ドルの価格帯で、2026年第2四半期にクラウドファンディングサイト「Kickstarter」に登場する予定だ。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
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