
韓国メディアの報道によると、サムスンは9月29日に今年3回目の発表イベント「Unpacked」を開催し、三つ折りスマートフォンの「Galaxy Z TriFold」を披露する。同イベントではXRヘッドセット「Project Moohan」やAIスマートグラスも登場するとされる。
CNNはさらに、サムスンがこの端末を韓国外の市場にも投入する可能性を伝えた。実現すれば、ファーウェイが2024年に中国で発売した「Mate XT」に続く2機種目の三つ折りスマホとなる。CNETはMate XTを高く評価しているが、同モデルは米国では販売されていない。
この報道が事実なら、アップルが「iPhone 17」シリーズを発表してから約3週間後にお披露目されることになる。アップルも2026年後半に「折りたたみiPhone」を投入するとの観測があり、超薄型の「iPhone Air」は折りたたみ設計を見据えた布石とみられている。
サムスンは米CNETの取材に対し、現時点でコメントを控えている。
信じられないほど高価でニッチ
YouTube登録者568万人のテック系インフルエンサー、オースティン・エバンス氏は、「Galaxy Z Fold 7」を使い込んだ経験から「サムスンは三つ折りでも成功するはず」と語る。
「価格はとんでもなく高く、ニッチな製品になるだろう。しかしサムスンにとっては2つの意味がある。他製品全体のイメージを高める狙いがあるのと、中国勢に押されていたフォルダブル市場で再び主導権を握る手段となるためだ」と指摘する。
一方で、実用性や耐久性にはまだ懐疑的だ。「生産台数は極めて少ないはず。ごく一部のマニアが友人に自慢するために買い、その他の人は『面白い端末だね』と眺めて結局S25を選ぶだろう」と話した。
外観については、すでにある程度の像が浮かび上がっている。X(旧Twitter)で@TechHighestが公開したアニメーションによれば、メイン画面は側面から内側に折り畳む構造で、閉じた状態では反対側に独立したディスプレイを備える。
韓国からの別報道では、10インチの有機ELディスプレイ、2億画素のメイン、1200万画素の超広角、1000万画素の望遠を組み合わせたトリプルカメラを搭載し、価格は約3000ドル(約44万円)になるとされている。
AIスマートグラスでMetaに挑戦
サムスンは、MetaのRay-Banスマートグラスに対抗する自社製AIグラスも準備中とみられる。報道によれば、音声機能に特化し、クアルコムの「AR1」チップを搭載。OSはAndroid XRが採用される見込みだ。
ただしエバンス氏は、この分野ではサムスンの勝算に懐疑的だ。
「現状、Ray-BanはMetaの独壇場だ。今月のMeta Connectで大規模なアップデートが来るという噂も明確だ。サムスンが挑戦するのは正しいが、突破口を開くのはサムスンではないだろう。ここはMetaが負けない限りMetaの市場だ」と語った。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。