
Googleは米国時間12月10日、緊急通報時にスマートフォンからライブ映像を共有できる「Android」の新機能を段階的に提供開始した。これにより、911(米国の緊急通報用電話番号)への通報中に状況をうまく説明できない場合でも、カメラの映像を共有することで、初動対応者が状況をより正確に把握できるよう支援する。
「Emergency Live Video」と呼ばれるこの機能は現在、米国に加えてドイツとメキシコの一部地域で展開されている。「Google Play開発者サービス」が搭載されたAndroid 8以降のAndroidスマートフォンで利用可能だ。Googleは発表の中で、「世界中の公共安全機関と密に連携し、この機能をより多くの地域に拡大していく」と述べた。
Emergency Live Videoの使い方
緊急時の通報やテキストメッセージで、対応者は現場の状況をより適切に把握し、必要な支援を正確に提供するために、周囲の映像を確認したい場合がある。その際、対応者は通報者のスマートフォンにライブ映像の共有をリクエストできる。通報者は画面に表示されるプロンプトをタップすることで、カメラからのライブ映像を共有できる。
この映像により、救急隊員が到着するまでの間、緊急対応者は心肺蘇生法(CPR)などの救命処置を指示することも可能になるかもしれない。
Googleによると、この機能はデフォルトで暗号化されており、ユーザーはスマートフォンの映像が共有されるタイミングを制御し、いつでも送信を停止できる。
Emergency Live Videoは、Motorola Solutionsの911指令センター用ソフトウェアと連携して動作する。同社の発表によると、このソフトウェアは「北米の緊急通報応答拠点の約60%で使われている」という。指令員が緊急時に誰を派遣すべきかを判断するのに役立ち、データはモバイルアプリ経由で初期対応者に転送される。
「視覚的な情報があれば、緊急対応の流れ全体が変わる可能性がある。窒息しそうな子どものために親にハイムリック法の手順を教える場合でも、家宅侵入の最中で声を出すのが危険だが映像なら代わりに状況を伝えられる場合でも同じだ」と、Motorola Solutionsで指令センターソフトウェア担当シニアバイスプレジデントを務めるTodd Piett氏は発表の中で述べた。「Googleと協力し、この仕組みを北米全域の緊急通報応答拠点に大規模に展開することで、1秒を争う場面で人々を助けるための『目』を911に提供しようとしている」
AndroidのEmergency Live Video機能は、誰かが遭難や危険な状態にあり、目の前の状況を説明するのが困難な場合に特に役立つだろう。これには、自動車事故、医療上の緊急事態、自然災害などが含まれる可能性がある。
Googleの発表
Motorola Solutionsの発表
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
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