
「TCL PlayCube」は持ち運べる1080pのプロジェクターで、ルービックキューブと映画「インターステラー」に登場するロボット「TARS」の中間のような巧みなデザインを採用している。ひねる構造は単なる飾りではない。レンズ部分を上に向けることで、設置場所よりもはるかに高い位置に映像を投写できるのだ。
内部にはストリーミング用の「Google TV」と、十分な明るさの光源を搭載している。さらに66Whのバッテリーを内蔵し、公称3時間の再生が可能だ。映画1本を見終わるのに苦労する競合製品もある中で、これは心強い。
全体として、性能はかなり良好だ。ポータブル機としては映像が明るく、色はそこそこ正確で、コントラスト比も多くの競合製品より優れている。音質も悪くなく、Bluetoothスピーカーとして使える点も評価できる。
いくつかのソフトウェアの問題(アップデートで修正されることを願う)を除けば、欠点は少ない。最大の問題は価格だ。デザインや性能の一部はその価格に見合っているが、完全に納得できるかと言えば微妙なところだ。
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主な仕様と特徴
- 解像度:1080p
- 輝度:750 ISOルーメン
- ズーム:なし
- レンズシフト:なし(本体の4分の3が回転して向きを変えることはできる)
- バッテリー駆動時間(公称):3時間(30分の充電で1時間再生)
PlayCubeの外観は、前述のルービックキューブ、初代「スタートレック」のトリコーダー、幼児向けの形合わせおもちゃ、あるいは巨大なレゴブロックなど、見る人によってさまざまに映るだろう。小さく箱型でありながら軽量で、子供でも簡単に持ち運べる。Anker製「Nebula Mars 3 Air」のようなハンドルはなく、全体的にひと回り小さい。機能性とデザインが融合しており、よくできていると思う。本体の大きい部分をひねることで、レンズを上に向けられる。光学ズームやレンズシフト機能はないが、価格とサイズを考えれば驚くことではない。
TCLはPlayCubeの明るさを750ルーメン(lm)としている。実測したところ、最も色が正確なモードでは452lm、色は不正確でかなり緑がかった「ビジネス」モードでは569lmだった。公称値より少し低いが、明るさの測定方法はさまざまであり、569lmと750lmの違いはそれほど目立たないだろう。コントラスト比も492:1とまずまずで、これは米CNETでレビューした全プロジェクターの中央値に近く、Mars 3 Airの実測値405:1よりもわずかに高い。
PlayCubeの大きな長所の1つは、大容量バッテリーとUSB-C充電の組み合わせだ。TCLによれば、前者は約3時間の再生が可能だが、これはおそらく最高輝度ではない設定での話だろう。後者はモバイルバッテリーからの充電を可能にし、コンセントのない場所でも長時間視聴を楽しめる。
接続端子や音質
- HDMI入力:1
- USBポート:2(USB-A×1、充電用USB-C×1)
- オーディオ:3.5mmヘッドホン出力、Bluetooth
- インターネット:Wi-Fi
- リモコン:バックライトなし
PlayCubeの内部には標準的なGoogle TVのインターフェースが搭載されており、主要な動画配信サービスのアプリをフルバージョンで利用できる。一般的に、TCLのような大手メーカーのポータブルプロジェクターは各アプリのフルバージョンを搭載しているが、小規模メーカーの製品ではモバイル版が搭載されていることがあり、操作にストレスを感じることがある。
5Wのスピーカーは驚くほどまともな音がする。Bluetoothスピーカーのようなサイズだが、音質もまさにBluetoothスピーカーといった感じだ。低音はあまり出ないが、かなり大きな音量が出せ、人の声もクリアに聞こえる。いくつかのプリセットで音質を調整できるほか、高音と低音の増減も可能だ。小部屋を満たすには十分な音量だが、屋外で多人数となると少し迫力不足かもしれない。
テスト中にいくつかのバグに遭遇したが、将来のアップデートで解消されることを期待したい。たとえば、すべてのレーザープロジェクターと同様に、PlayCubeにもアイセンサーが搭載されており、レンズの前で光を直視してしまった場合に網膜を傷めないようレーザーを減光する。しかし、PlayCubeはスクリーンに反射した自らの光を含め、すべてを「目」だと認識してしまった。機能を完全にオフにするまで、2〜3秒おきに警告が表示され続けたのだ。また、設定メニューにはオフにする項目があるにもかかわらず、自動台形補正を無効にできなかった。これらはすべて、大手メーカーの750ドル(日本のAmazonでは10万~11万円程度)の製品としては予想外かつ歓迎できない、地味にイライラさせられる問題だ。
最後に、これはバグではないが奇妙な挙動がある。電源ボタンを押すとスタンバイモードになるのだが、このモード中は数分おきに内部ファンが回転するのだ。これではバッテリーが消耗してしまうし、どこからファンの音がしているのかと混乱の元にもなる。完全に電源を切るには、画面にシャットダウンの通知が出るまで電源ボタンを数秒間長押しする必要がある。
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画質を比べてみた
競合製品として妥当なのはAnkerのNebula Mars 3 Airだ。これより下位のポータブル機では明るさが勝負にならず、従来のホームプロジェクターには(同価格帯やそれ以下でも)性能で遠く及ばない。どちらも1080pで、そこそこ明るく、バッテリー駆動が可能だ。今回は両機種を分配器(HDMIスプリッター)に接続し、102インチ・ゲイン1.0のスクリーンに並べて投写して比較した。
全体として、この2機種は非常によい勝負だ。どちらもサイズにしては驚くほど明るいが、TCLの方がさらに明るい。200lm程度の差は劇的ではないが、確かに少し明るく見える。技術的にはTCLの方が2倍近く明るい数値だが、主観的には「2倍明るい」とは感じられず、「少し明るい」程度だ。人間の目とはそういうものなのだ。
コントラストについては前述の通り互角だ。2機種間の小さな違いを見分けることはできない。レターボックスの映画の黒帯は、どちらも同じように暗いグレーに見える。TCLの492:1という数値は、レビューしたいくつかのホームプロジェクターよりも良く、全体の中では堅実な中位グループに位置する。つまり、PlayCubeはプロジェクターとして「悪くない」画質であり、感動するほどでもなければ失望するほどでもない。Ankerは調整不可能なほどシャドウを持ち上げる傾向があるため、明るさ調整機能があればもう少し良く見えたかもしれない。その点、TCLは複数の画質メニューや設定項目があり、映像表現の調整幅が広い。
両機種の違いが最も出るのは色だ。どちらも特に正確とは言えないが、極端に悪いわけでもない。Ankerは少し緑がかっており、TCLの肌色は少し暖色・赤寄りだ。TCLの方が少し鮮やかなので、個人的にはAnkerよりTCLをわずかに推すが、その差は小さい。コントラスト同様、どちらも「悪くない」が、特筆すべきレベルではない。
音質に関しては、Ankerの方が低音が出ているが少しこもっており、TCLの方が少し大きくクリアだ。どちらも前述のEQ設定があり、環境やコンテンツに合わせて音を調整できる。主観的には、TCLの方が10〜20%良い音だと感じる。
Ankerには持ち手があり、TCLにはひねる機構がある。TCLはUSB-C対応だが、Ankerの方が安い。どちらも最新のスマホのようにサクサク動くわけではないが、Ankerの方が動作が遅く、もっさりしている。つまり、違いはあるものの、異なる理由でどちらも良い選択肢と言える。
四角いことはクールだ
PlayCubeは素晴らしい製品だ。サイズの割に明るく、音も良く、映像もきれいだ。その巧みなデザインはシンプルかつ効果的に機能し、バッテリー容量も長い映画やドラマの一気見に十分だ。USB-C充電対応もありがたい。
バグはさておき、唯一の懸念は価格だ。Anker Nebula Mars 3 Airが発売された時、600ドル(日本では税込8万9990円)という価格は少し高いと感じた。諸事情によりあらゆるモノの値段が上がっているが、Ankerは米国でMars 3 Airの価格を下げており、その分PlayCubeの価格の高さが際立っている(編集部注:日本での価格差は米国ほど大きくなく、現時点で1~2万円程度)。
数百ドルの追加出費で、より明るく、音も良く、バッテリーが大きく、USB-C充電ができるプロジェクターが手に入るのは確かだ。PlayCubeの方が優れたポータブルプロジェクターであることは間違いないが、米国での価格差の通りに50%近く性能が良いかと問われると確信が持てない。現時点ではポータブルプロジェクターの絶対王者とは言えないが、もし価格が気にならないのであれば、選ぶべきはこの1台だ。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。