
高速道路のパーキングエリアで、「ご確認ください」という1枚のチラシが目に留まった。「現在お使いの一部のETC車載器は、最長で2030年頃までに使えなくなります」とある。日常的に使っているETCだけに、少し気になる内容だ。
この注意書きの背景にあるのは、ETCをセキュリティ規格の変更だ。ETCは、高速道路の通行料金を自動で支払う決済システムで、利便性の高さから広く普及している。その一方で、決済情報を扱う以上、一定のセキュリティ水準が求められる。そのため、国土交通省とITSサービス高度化機構は、ETCシステムのセキュリティ規格を段階的に見直す方針だ。
上記のセキュリティ規格が2030年ごろに実装される予定だが、脅威の出現状況によっては実装を前倒しすることもあるという。そうなった場合、旧規格の車載器ではETCゲートを通過できないというわけだ。
確認方法
ETC車載器が新しいセキュリティ規格に対応しているかどうかは、利用者自身でも確認できる。国土交通省などが公表している資料では、最も確実な方法として「車載器管理番号」を使った確認方法が示されている

確認方法
※クリックすると拡大画像が見られます
ETC車載器には、1台ごとに19桁の車載器管理番号が割り当てられている。この番号は、取扱説明書や保証書、車載器セットアップ証明書、または車載器本体のラベルなどに記載されている。管理番号の先頭、左端の1桁を見ることで、新旧どちらのセキュリティ規格に対応しているかを判別できる。
先頭の数字が「1」で始まっている場合、その車載器は新しいセキュリティ規格に対応している。一方、「0」で始まっている場合は旧セキュリティ規格の車載器で、将来的にETCとして利用できなくなる可能性があるとされている
資料では、車載器管理番号による確認が難しい場合の補足的な方法も示されている。一部の車載器には、新セキュリティ対応を示す識別マークが本体に表示されているケースがある。ただし、車載器の型式によっては識別マークが描かれていない場合もあり、外見だけでの判断は確実ではないとしている
そのため、公的資料では、管理番号による確認を基本としたうえで、判断がつかない場合には購入した販売店やセットアップを行った店舗に確認するよう案内している。
なお、ETC 2.0規格であっても、新セキュリティ規格に対応しているとは限らないので注意が必要だ。
ETC車載器を購入(Amazon)
マイカー便利グッズ(Amazon)
Amazonのアソシエイトとして、CNET Japanは適格販売により収入を得ています