
「知識や難しい計算は不要で、“考える力”さえあれば誰でも解ける」
それが、「論理的思考問題」だ。Google、Apple、Microsoftといった超一流企業の採用試験でも出題され、“考える力”を鍛えるトレーニングとしても注目されている。この論理的思考問題の傑作を紹介した書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(野村裕之著、ダイヤモンド社刊)は2024年の年間ベストセラー4位(ビジネス書単行本/トーハン調べ)に。シリーズ最新作『もっと!!頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』も登場し話題になっている。
なにより異例なのが、本書はビジネス書であるにもかかわらず子どもの読者も多いことだ。「6歳の娘が自分で読みはじめた」「10歳の息子が夢中になっている」など、全世代を超えて親しまれている。この記事では、同書から1問を選んでAIに出題してみた。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』より
あなたは「AI」より賢い?
論理的思考問題は、世界中で創作され、何百年にもわたって楽しまれてきました。
では、人間より賢いと言われる「AI」は解くことができるのでしょうか?
そこで、「論理的思考問題」の定義をしたうえで、書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から1問を抜粋して、AIに下記のように聞いてみました。
・知識や難しい計算は不要で、問題文を読んで論理的に考えれば答えが出せる
・必要な情報は、問題文に書かれていることのみ
上記の定義を踏まえて、下記の「論理的思考問題」を解いてください。
「砂漠の横断」
歩いて横断するのに6日間かかる砂漠がある。
あなたはこの砂漠の横断に挑戦する。
あなたはポーター(荷物を運んでくれる人)を雇って、連れて行ける。
あなたを含め、1人が持てる食料は最大4日分。
あなたは何人のポーターを雇えばいいだろうか?
なお、遭難者を出してはいけない。
――『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(151ページ)より
さて、回答はいかに?
ここから先に、AIによる解説と回答を掲載しています。
進む前に、一度ご自身でも考えてみてください。
…よろしいでしょうか。
では、回答を見てみましょう。
なおAIによる回答は実際の出力から内容を変えずに、文字のサイズ、色、太さのみ編集しています。
AIの回答
答え:ポーターは2人。
ポイントは「途中で1人ずつ引き返させて、食料を“あなたのために残す”」ことです。
1人が持てるのは最大4日分なので、最初に3人(あなた+ポーター2人)で出発し、段階的に人数を減らします。
まず1日目は3人で一緒に進みます(この1日で3人ぶん=食料3日分を消費)。
ここでポーター①が1日分の食料を持って引き返せば、無事にスタート地点へ戻れます。
残った「あなた+ポーター②」は、この時点で合計8日分(4日分ずつ)を持てている状態にできます。
次に「あなた+ポーター②」で進めるのは、ポーター②が引き返す分も考える必要があるので、4/3日(1日と8時間)がちょうど良い区切りです。
ここまで進むと、2人は合計で4日分の食料を使います(2人×4/3日=8/3日分を食べる+引き返す人のための4/3日分、合わせて4日分)。
そしてその地点でポーター②が4/3日分の食料を持って引き返すと、ポーター②も遭難しません。
すると、その地点にはあなたの食料がちょうど4日分残るようにできます。
残りの距離は、最初の1日+4/3日で合計7/3日(2日と8時間)進んでいるので、ゴールまで6-7/3=11/3日(3日と16時間)。
これは4日以内なので、あなたは残りの4日分でゴールできます。
つまり、「3人で出て、1人戻し、2人で出て、もう1人戻す」が成立するので、必要なポーターは2人です。
ふむふむ、なるほど…。
この回答、はたして正解なのでしょうか?
次ページで、書籍で紹介している回答を確認してみましょう。
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AIの回答は正解なのか?
野村裕之 著
<内容紹介>
答えのない時代を生き抜くには「考える力」が必要だ。論理的思考、批判思考、水平思考、俯瞰思考、多面的思考、5つの思考力を鍛える67の知的トレーニングを紹介。必要なのは「地頭力」だけ。Google、Microsoftなどの入社試験でも出題される問題で世界レベルの「考える力」が手にはいる!