
11月6日午前11時に配信されるソフトウェアアップデートで、PS5の電源を入れなくても自分のライブラリのゲームを遊べるようになる。サブスクリプションが必要だが、ソニーが次世代携帯機へと踏み出す一歩になるかもしれない。
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PlayStation Portalがクラウドストリーミングに対応
携帯ゲーム機市場はいま、任天堂の「Switch 2」やWindows/Steam対応のPCハンドヘルドなど、新世代デバイスの登場で急速に変化している。
そうした中で、ソニーの携帯機「PlayStation Portal」が約2年ぶりに大きく進化した。今回のアップデートにより、クラウドストリーミング経由でPS5のタイトルをプレイできるようになり、PS5本体を起動する必要がなくなる。対応サブスクリプションに加入していれば、3Dオーディオにも対応する。
もっとも、オフラインでのプレイには非対応で、Portalはあくまでストリーミング専用機という位置づけだ。それでも今回のアップデートにより「PS5のアクセサリ」というより「もう一つのプレイステーション」に近い存在感を見せ始めた。これが、ソニーが再び携帯機市場に本格参入する兆しかもしれない。
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)でプロダクトマネジメントを統括する伏見拓郎氏は「PortalはPS5ファミリーの一員であり、いまはあくまでコンソールを補完する存在」と語る。
一方で、ストリーミング機能の拡充により、PS5を使うユーザーとPortalを使う別ユーザーが同時に遊ぶことも可能になったという。伏見氏によれば、PortalはPS5ゲームのストリーミングで最も利用されているデバイスで、スマートフォンやタブレットを上回る使用率を記録しているという(販売台数は非公開)。
今回のクラウドストリーミング機能は、2024年に登場したベータ版以来、初めて正式に展開されるものだ。これまでは、PlayStation Plusを通じて一部の旧作をクラウド経由でプレイできたほか、PS5本体と同期してリモートプレイする形が主だった。
新たなアップデートでは、ユーザーが所有する一部のPS5タイトルもPS5の電源を入れずにクラウドでプレイできるようになる。ゲームライブラリの表示はPS5本体の機能に準じた構成で、新しいインターフェース上に一覧表示される。
この機能を利用するには、月額1550円、年額1万3900円の「PlayStation Plus Premium」への加入が必要だ。
外出先でPlayStationを遊ぶ他の選択肢との違い
PS5のクラウドストリーミングに対応しているのは、現時点でPS5本体とPortalのみだ。スマートフォンやタブレットでは、専用アプリを使ってPS5本体からローカル接続でリモートプレイすることができ、ゲームパッドにも対応している。また、PlayStationの一部タイトルはSteamでも提供されており、Steam DeckやWindows搭載ハンドヘルドで遊ぶことも可能だ。
ただしPortalには独自の強みがある。DualSenseコントローラーと同じアダプティブトリガーやハプティックフィードバックを備えており、他のデバイスでは再現しづらい操作感を持つ点だ。さらに、今回のアップデートで有線ヘッドホンやPortalとペアリングしたワイヤレスPulseヘッドセットを利用すれば、3Dオーディオにも対応する。ただし、あくまでストリーミング専用であることに変わりはない。
ソニーは本格的な携帯機を再び作るのか
Portalの進化を見ると、PSPやPS Vitaの流れをくむ“本格的な携帯PlayStation”の可能性を思い起こさせる。携帯型ゲーム機市場が再び活気づく中で、ソニーの立ち位置はどう変化しているのだろうか。
伏見氏は「携帯機については独自の考え方があります。PS5ファミリー全体での没入感と品質を、このデバイスではストリーミングとリモートプレイを通じて提供するというアプローチを取っています」と説明する。
つまり、PortalはいまのところPS5を補完する存在だが、単体の携帯機に一歩近づいたのは間違いない。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。