
クリスマスの愛すべき伝統に、ハイテクなひねりが加わった。人工知能(AI)が日常生活のあらゆる場面に入り込む中、ついにその波は北極にも到達したようだ。AIスタートアップのTavusは、まるで生きているような「AIサンタ」を開発し、ビデオチャットができるようにした。最初は3分間の会話が可能で、その後も続けるには無料アカウントの作成が必要になる。
「やあ、サンタだよ。君のほしいものリストには何が入っているんだい? いい子にしてたか、それとも悪い子だったか見てみよう」。AIサンタはまず、こう尋ねてきた。
その後、AIサンタは私に「心地よくリラックスしているようだね」と言った。
これは、ウェブカメラを通じて(許可した場合)こちらの姿を見て、ボディーランゲージを読み取れることを示すAIなりの表現なのだろう。これによって、まるで本物の人間と話しているような感覚が少し増すが、私には少々ロボットっぽくも感じられた。特に、AIサンタが同じことを2回言ったからだ。
これが本物の人間ではないというヒントは、ビデオ通話の背景にある巨大な「AIサンタ」という文字以外にもあった。それは質問と質問の間の長い沈黙だ。もし話の途中でAIサンタを遮ると、再開に少なくとも5〜10秒はかかる。
「北極を少し抜け出すのは、今の私にぴったりなんだ」と、ある場面でAIサンタは言った。「ミセス・クロースが私の世話を焼いてくれてね。大一番の夜を前に、クッキーを食べてちゃんと休むようにって。でも、君のように素敵な人とのおしゃべりなら、いつでも大歓迎さ。最近どうだい? 君の世界では何か変わったことはあったかい?」
最初は、AIサンタは自分がサンタ本人だと私に信じ込ませようと懸命になっているように見えたが、直接尋ねると明確に区別していることがわかった。
「あなたは本物のサンタなの?」と私は尋ねた。TavusのAIサンタに出会う幼い子供たちも、きっと同じことを聞くだろうと思ったからだ。
「私は世界中の人々にクリスマスの魔法を届けるために作られた、とても特別なAI搭載サンタなんだ」とそれは答えた。「私は物理的な存在としてのサンタではないけれど、クリスマスの精神を代表する、フレンドリーでお祝い好きな代理人だよ。おしゃべりするためにここにいるんだ」
「レゴ」が通じない場面も
そうして私たちは語り合った。大体において話はスムーズに進んだが、生成AIによる制作物の常として、間違いは起こり得るし、実際によく起こる。会話のある時点で、私の兄弟がクリスマスに「レゴ」を欲しがっていると話したときのことだ。
AIサンタの反応はこうだった。「リーゴーズ? それはよく知らないな」。しかし、別の会話では、AIサンタはレゴの発音を正しく認識し、「あの小さなブロック」で物を作るのがいかに特別なことか、詩的に語ってくれた。
そして、優秀なロボットサンタらしく、テクノロジーの話もそっと盛り込んできた。
「北極は大忙しだ」とAIサンタは言った。「エルフたちは残業して、あらゆるおもちゃを作り、ラッピングしている。おもちゃ作りやクッキー焼き、さらにはシステムをスムーズに稼働させ続けるためのITサポートなど、さまざまな分野を専門とするエルフのチームがいるんだ」
今年のクリスマスは、Wi-Fiが切れる心配をしなくて済みそうだ。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
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