
世の中には珍妙な詐欺グッズが山ほどある。電気代の高騰で「節電」系の怪しいデバイスが流行っているが、先日見つけたのは「USB Phone Battery Repair Multipurpose Battery Restorer Efficient Repair」(直訳:USBスマホバッテリー修理 多目的バッテリー修復器 高効率修理)と名乗る、なんとも怪しげなUSBドングルだ。
これがいろいろな効果をうたっているのだが、安心していい。実際にやるのは、あなたの財布からお金を吸い上げることだけだ。
どこかに挿す前に、このドングルが何か悪さをしないか、一応の対策は取った。ハッキング攻撃用のドングルなのでは、とも疑ったからだ。もし5ドル(約780円)でそんなガジェットが買えるなら、それはそれで面白いと思った。
だが残念ながら、役に立たない詐欺グッズであることを除けば、こいつはかなり無害だ。
分解してみたが、中身はほとんど何もない。プラスチックのケースの中に小さな基板が1枚あって、その上に青色LEDが2つと、LEDが焼き切れないようにするための小さな抵抗器が1つ載っているだけだ。
以上。それだけである。LEDの役割は、中国語で「修復中」と表示されているように見せる偽の「ディスプレイ」を光らせることだ。
箱の裏には中国語の文字がびっしりと並んでいて、「Googleレンズ」でさっと読み取ってみると、どうやってこのドングルを使うかの説明書だと分かる。
どうやら週に数回、1回3時間ずつ、5~8週間ほど使うことになっているらしい。その頃には、もう返品期限を過ぎているだろう。
数ある詐欺グッズの中でも、これは思わず笑ってしまうレベルの出来の悪さだ。
説明書には、スマホを「速くする」ための、ごくありがちな小手先テクニックもいくつか書かれているが、効果はほとんど期待できない。それでも、このドングル本体よりはまだマシだが。
だから、その5ドルはムダにしない方がいい。それでちゃんとしたケーブルを1本買った方が、よほど有意義だ。
スマホをできるだけ良い状態に保ちたいなら、まともな充電器とケーブルを使い、不要なアプリ、特にブロートウェアのような余計なプリインストールアプリや、ストレージを圧迫している大量の写真・動画をこまめに消して容量を空けるといい。さらに、スマートフォンを定期的に再起動し、iPhoneやAndroidのキャッシュをときどきクリアすることも、動作を軽く保つのに役立つ。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
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